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総合型地域スポーツクラブに関するお知らせ

総合型クラブ2009/11/20

メルマガ(第49号)連携ニュース 【2】「若手クラブ仕事人の夢メッセージ」(藤川博樹さん)

※本ニュースは本日配信の「総合型地域スポーツクラブ公式メールマガジン第49号」と連携した内容となっております。
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【地域の総合型クラブの理学療法士だからできること】

バンブースポーツクラブでは、私を含めた3人の理学療法士が働いています。
現在、我々はtoto助成を受け、竹原市内全4中学校の運動部を対象に
メディカルサポート事業を行っています。

今回のメディカルサポートの対象は中学生ですが、
昨年から、ある高校野球部のメディカルサポートを実施していました。
その高校が出場した夏の広島県予選に、休日だったため観戦に行きました。

その試合中、ある選手が走塁中に足首と膝を捻挫してしまいました。
そのまま途中退場となったので、本人のかかりつけでもある、
スポーツクリニックを部長の先生と私が付き添い受診しました。


その試合、チームはなんとか勝利し翌日の試合に勝ち進みました。
病院では、捻挫と診断され足首と膝に炎症を抑える注射を打ちました。
明日も試合があることを伝えると、医師は「無理じゃなか」との答えでした。

しかし、選手は「3年生で最後の大会だしどうしても出たい」と。
部長も、「この子はキャプテンでキャッチャー、チームとしても出てもらわないと困る」と。
すると医師は、「安静が一番だがどうしてもというなら、無理をしないように」
と出場を許可しました。
翌日分の痛み止めをもらい、アイシングとテーピングなどの
リハビリも受けて帰るようにと指示されました。


いざリハビリとなったら、テーピングはばっちり巻いてもらいましたが、
選手は「まだ痛みますね」と言って「明日、出られますかね?」
と病院のセラピストに聞いていました。
セラピストは「ひねってすぐだから、どうしても痛みはあるよね」と
「あしたは無理しないようにね」と言うだけで終了してしまいました。


おかしい!!  明日最後の大会があるキャプテンのキャッチャーに
1度も座らせることがなかったんですよ!?
座れないキャッチャーが試合に出れるわけありませんよね?
もう、それに怒りを覚えてしまって…。
スポーツクリニックがこれかと。
全然本人の立場で診てないじゃないかと愕然としました。


これではいけないと、本人と高校に帰って動作の確認をしました。
足首はテーピングでOK。しかし、しゃがむと膝が痛くプレーは厳しそう。
どうしよう。サポーターで支えてみるか?

もう時間が遅く、夜になっていました。
知り合いでもある地元のスポーツ店に電話をし、
営業時間過ぎているけど、どうにかなりませんか?
と事情を説明すると快く開けてもらい、さっそくサポーターを試着しました。

サポーターをすれば、しゃがんでの痛みもほとんど無くなりました。
「行けます!」とキャッチャーの構えをうれしそうにする選手。


翌朝、集合時間が早かったため仕事の前に高校へ行きテーピングをしました。
その上からサポーターを巻いて動作確認。選手からはOKサインが出ました。
試合はというと…残念ながら逆転負けだったそうです。
しかし、本人はフル出場し2安打!


今回の出来事で、病院側に落ち度はないと思います。
無理をきいてくれたスポーツ店のような地域の人がいるから出場できた。
普段から選手に関わっているからできた。そう思います。


同時に、地域の理学療法士ってこうあるべきなんじゃないかなと痛感しました。
しっかりとしたサポートは強豪校などではやっています。
しかし、こんな子を公立中学校レベルでもサポートできたら…素敵じゃないですか?
地域なら、総合型クラブでならできると思うんです。

                  (藤川博樹   NPO法人バンブースポーツクラブ  理学療法士)


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