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カテゴリタイトル_運動部活動改革

JSPOスポーツニュース特別号(2022年12月)
(運動部活動特集号)

全国の小中学校等に無償配布している壁新聞「JSPOスポーツニュース」において、運動部活動改革に関する特集号(2022年12月19日発行)を作成しました。運動部活動に関わる年代の子どもたちにもわかりやすいように制作していますので、是非ご活用ください。

※下記記事は、内容は変えずにweb用にレイアウトのみ編集しています。
 印刷用のPDFはコチラ(PDF/646KB)

JSPOが取り組む運動部活動の地域移行と地域スポーツ環境の整備

JSPO 奈良特命課長
2023年4月から、中学校の運動部活動が今までとは違った形で行われる取り組みがスタートします。まず、休日に行われる運動部活動は、顧問の先生の指導から、地域の指導者の指導に徐々に変わっていくことになります。
これが、最近、テレビや新聞のニュースでよく耳にする、スポーツ庁が中心となって進めている「運動部活動の地域移行」です。
なぜ「運動部活動の地域移行」を進めることになったのでしょうか。その理由として、生徒数の減少が挙げられます。特にチームスポーツでは、大会の出場に必要な人数が集まらない学校も出てきています。また、生徒のやりたいスポーツの種類が広がったことや、スポーツに求める楽しさも様々になり、今までの運動部活動では希望に応えられなくなることも出てきました。
こういった課題を解決し、生徒のニーズに合わせてスポーツを楽しむことができる場を作ることを目的に進められているのが、「運動部活動改革」です。
みなさんの中にはスポーツ少年団に加入したり、子どもからお年寄りまでが一緒にスポーツを楽しむ総合型地域スポーツクラブに参加したりしたことがある人もいると思います。JSPOは、そういった地域のスポーツクラブの支援や、スポーツ指導者を対象にした講習会を通じて、地域でスポーツを楽しむ環境を整えてきました。
「運動部活動改革」が進むと、地域のスポーツクラブが果たす役割は大きくなります。例えば、小学校卒業後も、在籍しているスポーツ少年団で今までと同じ指導者に指導を受けることができるようになるかもしれません。また、総合型地域スポーツクラブでは、新たなスポーツに親しむ機会などが増えることも期待されます。さらに、より専門的な知識・技術を持つ指導者の指導を受けることによって、上達のスピードが速くなったり、より難易度が高いプレーができるようになったりするといったことも考えられます。
運動部で活動する全国の中学生の活動を支えるためには、今ある地域のスポーツクラブや指導者だけでは十分ではありません。そのため、JSPOは、地域のみなさんの協力を得ながら、新たな地域スポーツクラブを作るなど、みなさんが楽しくスポーツを続けていくことができる環境を整えていきます。
(JSPO 総務部付特命課長 奈良光晴)

 

中学校運動部活動
中学校運動部活動
スポーツ少年団の活動
スポーツ少年団の活動

子どもたちの思いに大人が応える
=学校部活動と連携の「スポーツリンク白川」=

白川中学校の今井校長(左)と渡辺さん
岐阜県白川町を拠点に活動する一般社団法人「スポーツリンク白川」は、中学生をはじめとした子どもたちのスポーツ活動や大人を巻き込んだスポーツイベントの企画や運営に中心的な役割を果たしています。その一つとして、中学校と連携して部活動の時間を十分に確保できるようにした取り組みが注目を集めています。
スポーツリンク白川は、「誰もが自由にスポーツ活動ができること」を目指して「総合型地域スポーツクラブ チャオ白川スポルトクラブ」と「白川町体育協会」と「白川町スポーツ少年団」の3団体が一つになって設立されました。「もっとスポーツをやりたい」という子どもたちの熱意と「それに応えたい」という大人の思いが設立に結びつきました。保護者は当番制で練習を見守り、町は施設の夜間照明や送迎バスの費用など経済的支援を行っています。
白川中学校の施設で実施されているのは、バレー、バスケットボール、剣道、野球、吹奏楽。保護者が推薦した大人の経験者18人が、ボランティアとして技術的な指導をしています。
スポーツリンク白川の渡辺靖代クラブマネジャーは「当番の人は、子どもたちがけがした場合、保護者への連絡や救急車の手配などを迅速に行います。保護者がいることで生徒は安心して参加することができます」と話しました。
白川中学校の今井昭弘校長は「町を動かしているのは保護者や子どもたちの熱意です。中学校の剣道部は廃部となりましたが、スポーツリンク白川のおかげで生徒は町内で活動できます。部活動での教員の負担は1時間だけでとても助かっていますが、情報共有はしっかりとするように努めています」と話しました。
活動を見守る渡辺さん(左)

 

スポーツ指導の専門家を育成

みなさんにスポーツを指導しているコーチ(指導者)が、スポーツを指導するための資格(ライセンス)を持っているかどうか考えたことはありますか?
JSPOは、みなさんが安全で楽しくスポーツをするためには、指導者の存在がとても重要だと考えています。そのため、スポーツ指導について専門的な知識・技能を学び、暴力や暴言などの不適切なこともしない人を「公認スポーツ指導者」として認定しています。
資格には、バレーボールやバスケットボールなどのスポーツごとに専門的な指導を学んだ「競技別指導者資格」や、選手のケガや体調をサポートする「メディカル・コンディショニング資格」などがあります。現在、約22万人が登録されていて、スポーツ少年団の指導者も「公認スポーツ指導者」資格を取得しています。
しかし、「運動部活動の地域移行」後も、みなさんが地域のスポーツクラブなどで安全で楽しくスポーツを続けていくためには、指導者の人数が足りません。そのため、JSPOは、もっと多くの人に「公認スポーツ指導者」資格を取得してもらいたいと考えています。資格の中には、18歳から取得できるものもあります。みなさんも、将来、資格を取得して、「公認スポーツ指導者」の仲間に入ってください!


※JSPOは、全国の小中学校等に

  • 国内外のスポーツ大会・関連イベントや地域におけるスポーツ活動等をトピックな写真とともに各種ニュースを掲載するJSPOスポーツニュース
  • スポーツを通じて育まれるフェアプレー(精神および行動)を啓発することを目的に、アスリートインタビュー記事やスポーツ現場におけるフェアプレー事例の漫画を掲載するJSPOフェアプレーニュース
を作成・配布しています。

 

JSPOスポーツニュースはスポーツ振興くじの助成を受け制作しています