本文へスキップします。

会長あいさつ


 当協会は、2018年4月1日、「日本スポーツ協会」として新たな一歩を踏み出しました。

 1911年、初代会長の嘉納治五郎先生を中心に、国民体育の振興とオリンピック競技大会参加に向けた体制整備のため、当協会の前身である大日本体育協会が創設されました。

  当時、日本が、欧米を中心に文化・学術を取り入れる中、「スポーツ」という言葉も日本に渡ってきましたが、それは、体育、運動、遊戯、競技、武道の言葉に適宜、置き換えられながら広く使われていきました。その後、「スポーツ」は学校体育等において教育の手段として用いられ、「体育」という言葉は次第に「スポーツ」を含む広義の意味で捉えられるようになりました。

  1964年の東京オリンピックを契機に、「スポーツ」が更に広く人々や社会に浸透し、発展してきたことにより、現在では、「スポーツ」は体育や身体活動の概念を含む、より幅広く表現するものと認識されるようになりました。

 当協会はこれまで、体育の意義や教育的価値の重要性を尊重しつつ、「スポーツ」を振興し、その価値を高める役割を担ってきました。
 
 近年、社会のスポーツへの関心や期待がますます高まっていく中で、当協会では、我が国スポーツの統一組織として、多くの人々のスポーツ参画を促し、「スポーツ」という文化を後世に継承していくには、名称に「スポーツ」という言葉を掲げることがよりふさわしいものと考え、「日本スポーツ協会」に変更することとしました。

 また、当協会では今年度、中期事業方針「日本スポーツ協会スポーツ推進方策2018」を策定しました。「誰もがスポーツ文化を豊かに享受できる環境の創出」、「スポーツ享受の多様化の促進」、「スポーツを核にした連携・協働の促進」の3つを柱に、当協会のミッションである「スポーツ宣言日本」が目指す社会(公正と福祉、環境と共生、平和と友好)の実現に向け、様々な事業活動を展開してまいります。

 スポーツ界では、スポーツ選手の法令等の順守、スポーツ団体のガバナンスの充実、運動部活動の持続可能な環境づくりへの協力など、多くの課題が山積しております。また、国は2017年「第2期スポーツ基本計画」を公表し、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会開催を契機に、スポーツ参画人口の拡大による「一億総スポーツ社会」の実現を目指しており、スポーツの意義と価値を守り広め、さらに大きく育てていかなければならない状況にあります。
 
 私は、このような時期の中にいるからこそ、日本スポーツ協会としては、国をはじめ、地方公共団体、および スポーツ関係団体等との協力・連携を更に密にし、新たに策定したコーポレート・メッセージ「スポーツと、望む未来へ。」のもと、スポーツがあらゆる人々に一切の差別、格差なく享受され、誰もが望む社会の実現に貢献していくことを目指して、役職員、力を合わせて各種事業を推進してまいりたいと考えております。

 皆様におかれましては、今後とも一層のご支援・ご協力をお願いいたします。 



平成30年4月1日    

公益財団法人日本スポーツ協会