本文へスキップします。

会長あいさつ

スポーツのさらなる進化。
これは、日本スポーツ協会(JSPO)会長に就任するに当たっての、皆様へのお約束です。
スポーツには「力」があります。人が奮い、社会が動く。私自身、スポーツを愛する個人としてこれまでもスポーツに親しむとともに、スポーツの力を信じ、さまざまな可能性を追求してきました。
2011年、スポーツ基本法の制定、'15年、スポーツ庁の創設。そして'20年、オリンピック・パラリンピック東京大会の挑戦。 これら節目の取り組みによる我が国スポーツの進化を通じ、この日本社会の発展に尽力してまいりました。
そのような中、112年の歴史と伝統のあるJSPOの会長を拝命したことは、その使命である「スポーツと、望む未来へ。」の達成に向けて全力で努力せよとのこと、大変身の引き締まる思いです。

さて、近年我が国のスポーツ界では、少子高齢化や人口減少による深刻な影響、スポーツにおけるハラスメントの問題、多様性への対応などが急務の課題となっています。
また、グローバルな視点では、繰り返される民族紛争や戦争、地球規模の気候変動など、日々刻刻と目まぐるしく状況が急激に変わる時代です。
このような時代の中、JSPOは’23年4月から「JSPO中期計画2023‐2027」のもと、5年後の望ましい未来像を描き、スポーツの力で社会課題を解決するため、特に「地域スポーツの最適化」「多様性の尊重」「スポーツ・インテグリティの強化」「次世代につなぐ新たな仕組みの実現」の4つの重点項目に取り組んでいくこととしております。

特に、'19年ラグビーWCや’21年東京大会のレガシーとして、子どもや大人、高齢者や障がい者のスポーツ参加・交流を推進する地域スポーツの創造に取り組むことが重要です。これまで学校で抱え込んでいた部活動も、こうした中に取り込み、子どもたちが望むスポーツを、多様な関わりで楽しめるよう、小・中学生のジュニアスポーツ環境の選択肢の拡大を推し進めていくこととしています。「地域から部活動」を考える時代が来たのです。

また、スポーツ界における暴力行為の根絶に向けて、本年改めて「NO!スポハラ」を合言葉に、日本オリンピック委員会、日本パラスポーツ協会、日本中学校体育連盟、全国高等学校体育連盟、大学スポーツ協会の6団体で活動を展開することとしています。
加えて、「スポーツは、もっとオモシロイ。」をメッセージに、国民スポーツ大会、全国スポーツ少年大会、日本スポーツマスターズの主催3大会が連携・協働する新たな大会の在り方を創造するため「JAPAN GAMES」として再構築し、“する”人だけでなく“みる” “ささえる”といったあらゆる人々が輝き、心の底から楽しむことができるような大会としていきます。

これらは、JSPOだけでは決して成し遂げられるものではありません。私たちは、加盟団体、総合型地域スポーツクラブやスポーツ少年団、公認スポーツ指導者、オフィシャルパートナーなどスポーツを愛するすべての皆様方と“ともに”スポーツの力で人も社会も元気にする“仕組み”をつくっていくことが必要だと考えます。

スポーツを愛する皆さまには、日ごろからスポーツの充実・発展にご尽力いただいていることに、心から御礼申し上げます。
私たちは、東京大会レガシーという段階も越え、スポーツをさらに進化させます。その中で、世界のスポーツを牽引する真のスポーツ立国となるよう、役職員と力を合わせて取り組んでまいります。皆様方のより一層のご支援をお願い申し上げ、就任のごあいさつとさせていただきます。

令和5年6月23日    

公益財団法人日本スポーツ協会