長年にわたりスポーツを実践するとともに、広く国民に感動や勇気を与え、顕著な功績をあげられた中高年齢層の個人又はグループに対して授与されます。
受賞者
第15回(令和2年度)受賞者の功績 受賞者・サポーターの声はこちら
(氏名、年齢、居住地、主な競技名、活動歴、顕彰対象区分) ※過年度分は、下部にございます。
1.梅津 勝子
(うめつ かつこ) |
(女) |
86歳 |
東京都 |
柔道 |
73年 |
顕彰区分(1) |
中学生から柔道を始め、これまで73年の長きにわたり取り組んでいる。
高校時代に九州で女性初の初段(黒帯)に昇段、高校卒業後に上京し、講道館指導員を担当しながら修行に励み、勤務校およびクラブ活動での指導の傍ら、自身の練習も行った。1978年に全日本女子柔道選手権大会開催まで、日本では女子柔道大会がなく、オーストラリア、ニュージーランド、イギリス、ベルギー、アメリカ、カナダ、パナマ等で柔道修行を行いながら、形、基本技、形審査の巡回指導も実施し、各国で柔道の普及および現地の人々との交流にも努めた。
2018年には、女子柔道の先駆者としての長年にわたる活躍などが高く評価され、女性で2人目となる講道館九段に昇段した。
現在も、柔道クラブおよび講道館で週2回汗を流す傍ら、子どもたちへの指導も担当するなど生涯柔道を実践する姿は、称賛に値する。
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2.木村 要一
(きむら よういち) |
(男) |
93歳 |
福島県 |
剣道
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66年 |
顕彰区分(1) |
27歳で剣道を始め、これまで66年にわたり取り組んでいる。
刑務官時代は、全国矯正職員武道大会(剣道)に東北代表として14年連続で出場し、団体戦の主力として活躍し、準優勝2回を果たした。
60歳を超えてからも積極的に大会に出場し、82歳まで毎年欠かさず参加した全日本高齢者武道大会(剣道)では、2003年から2年連続で準優勝、2008年には第3位を獲得した。
また、2002年に出場した「第15回全国健康福祉祭 福島大会(剣道)」では、団体戦の大将として活躍し、福島県を優勝へと導いた。
現在は、自宅車庫を改造して毎日素振りを行いながら、週2回は近隣の武道場に足を運んでいる。少年剣士や有段者を相手に、長年の経験による熟練された技、研ぎ澄まされた剣さばきで意気揚々と稽古に励む姿は、後進の模範的存在と言える。
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3.伊藤 利子
(いとう としこ) |
(女) |
82歳 |
東京都 |
卓球、バレーボール |
68年 |
顕彰区分(1) |
18歳の時に就職と同時に卓球を始め、結婚、出産を経てからは子育てに重きを置き、本格的な競技生活から離れたが、この間は、地元のバレーボールチームに参加し、地域の仲間達とスポーツを楽しんだ。60歳を迎えたことを機に本格的に卓球を再開し、現在も取り組んでいる。
特に、2003年から2009年まで7年連続で全日本卓球選手権大会(マスターズの部)に出場し、2004年には女子シングルスにおける65歳以上の部で第3位という成績を残した。また、全国ラージボール卓球大会では、混合ダブルスの部で優勝3回、女子シングルスの部で優勝3回、女子ダブルスの部で優勝4回を果たしている。
さらに、国際大会にも出場しており、2017年には第11回アジア(パシフィック)ベテラン卓球大会で入賞するなど、幅広く活躍している。
現在も週5日、仲間とともに約2時間練習に励み、定期的に大会に出場している姿は、生涯スポーツライフを謳歌していると言える。
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4.小川 揚之輔
(おがわ ようのすけ) |
(男) |
83歳 |
神奈川県
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バドミントン |
67年 |
顕彰区分(1) |
15歳でバドミントンを始め、これまで67年にわたり取り組んでいる。
高校卒業後、当時勤務していた神奈川県庁のバドミントン部に入部し、30代前半まで神奈川県実業団バドミントン選手権大会をはじめ、関東地区都県庁バドミントン大会などに積極的に参加した。
60歳以降も積極的に大会に参加し、2014年には第31回全日本シニアバドミントン選手権大会で混合ダブルス優勝、2018年の第35回大会では、80歳以上の部で男子ダブルスおよび混合ダブルスにおいて共に優勝した。
現在は、総合型地域スポーツクラブの理事長を務める傍ら、小学生を対象としたジュニアバドミントン教室で月2回程度、指導にあたっている。また、地元のレディースクラブでパターン練習、所属クラブでゲーム形式の練習を行うなど、週3~4回程度の練習会でさらなる向上を目指す姿は、生涯スポーツ実践者の鑑である。
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5.大西 フミ子
(おおにし ふみこ)
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(女) |
99歳 |
大阪府 |
弓道 |
77年 |
顕彰区分(1) |
中学入学と同時に弓道を始め、結婚、育児、戦争および戦後の武道禁止令などにより中断期間があるものの、これまで77年の長きにわたり取り組んできた。
女学校時代には明治神宮体育大会に出場、戦後も数々の全国的な弓道大会に出場し、特に、全日本弓道大会においては、1950年の第2回大会から2019年の第70回大会まで69年連続で出場する偉業を達成している。また、国民体育大会には計5回出場、入賞2回を経験している。
2009年には、全日本弓道連盟より範士の称号が授与された。
2019年に大きなケガに見舞われ、入院治療とリハビリを経た現在は、自宅等にて素引き等の練習を再開し、弓道場の再館後、本格的に弓道に取り組むことを心待ちにしている。長く弓道と向き合い、実践している姿はまさに同年代におけるスポーツ実践者の模範的存在と言える。
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6.辻 喜千治
(つじ きちはる) |
(男) |
85歳 |
愛媛県 |
ソフトテニス、軟式野球、ソフトボール |
73年 |
顕彰区分(1) |
11歳で野球を始め、36歳からソフトボールにも親しみ、定年を機に現在はソフトテニスに取り組むなど、これまで73年の長きにわたりスポーツ活動を実践している。
在職時代に、地元の仲間とチームを組織し、1968年から2年連続で愛媛県軟式野球選抜大会に選手兼監督で出場し、共に優勝を果たした。
ソフトテニスでは、全日本シニアソフトテニス選手権大会にて、優勝2回、準優勝2回を経験している。また、国際大会にも出場経験があり、2014年の第21回アジアシニアソフトテニス選手権大会では、男子団体優勝、男子個人75歳以上の部で準優勝を果たしている。
現在は、週3回、同年代の仲間達と練習に励み、海外選手の独特なプレースタイルに対応できるよう試行錯誤している。さらに、練習が無い日も、他の市まで足を運びソフトテニス仲間と試合を行う姿は、生涯スポーツライフを謳歌していると言える。
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7.大日向 暁子
(おおひなた あきこ) |
(女) |
70歳 |
長野県
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陸上競技 |
58年 |
顕彰区分(2) |
中学時代から陸上競技(走幅跳)を始め、結婚後も仕事と家庭を両立させながら、自宅での補強練習をはじめできる限りグラウンドに出向き、最低でも1週間に1度の練習時間確保に努め、現役選手として記録に挑戦し続けてきた。また、50歳の頃にアキレス腱を断裂し、競技を続けるのは難しいと言われていた中、リハビリに努め、三段跳で復活し世界記録を樹立した。
全日本マスターズ陸上競技選手権大会をはじめ、これまで多くの大会に出場し、現在は日本記録を12個、世界記録を5つ保持している。特に、現在は塗り替えられたものの、1995年に出場した第50回国民体育大会の長野県予選会においてW45区分で樹立した世界記録は、2019年まで24年間という長きにわたり保持していた。
今年からW70区分での出場が可能となるため、同部門での世界記録樹立に向けて今シーズンが待ち遠しい気持ちを持ちながら、現在も、週3回の練習を無理なく楽しむ姿は、生涯スポーツ実践者の鑑と言える。
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8.斉藤 実
(さいとう みのる) |
(男) |
86歳 |
神奈川県
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ヨット、ロッククライミング、登山、スキー等 |
67年 |
顕彰区分(3) |
10代からロッククライミング、登山、スキーなどに親しみ、32歳から通年で活動できるヨットを始め、執筆活動による中断期間があるものの、これまで67年にわたりスポーツ活動を実践している。
単独世界一周レースの最高峰であるアラウンド・アローン(※Around Alone)レースでは、これまで3回出場し、1990年~1991年レース出場時には、クラス3位という好成績を残した(※現在は、「5-Oceans」に改名)。
また、2004年には「単独無寄港世界一周(東回り):Challenge-7」にチャレンジして、2005年の71歳の時に完走し、最高齢者としてギネスブックに掲載された。
さらに、2008年に挑んだ「サイトウチャレンジ8」と名付けられた単独世界一周(西回り)では、無寄港とはならなかったものの、2011年当時の最高齢記録となる77歳で完走した。レース回航も含めると単独世界一周を当時最多の8回達成、これまでの総航海距離は26万海里以上となり、斉藤氏の実績およびチャレンジ・スピリットは世界中で大きく称賛された。
現在は、17年間所属している横浜ヨット協会の会員艇へ乗船支援を行いながら、自身も数年ごとに単独外洋回航航海を行う姿は、生涯スポーツ実践者の鑑と言える。
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年齢・活動歴は令和2年10月3日時点 順不同・敬称略
※第14回表彰式の様子は
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過年度実施した記者会見の様子は
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『Sport Japan』のご購読は
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※受賞者・サポーターの声については、第14回から実施いたしました。
<顕彰対象>「日本スポーツグランプリ」顕彰規程より抜粋
長年にわたるスポーツ実践者で、現在も活動を継続し、当該スポーツにおいて、中高年齢層の顕著な記録や実績を挙げ、国内外において高い評価を得た下記に該当する個人又はグループ。
ただし、原則として、オリンピック競技大会、各競技別世界選手権大会等に出場経験のある者を除く。
(1)当該スポーツを長年にわたり実践している個人又はグループ
(2)当該年齢層において世界記録等を樹立した個人又はグループ
(3)当該スポーツにおいて顕著な実績を挙げた個人又はグループ
※顕彰規程全文はPDFでご覧になれます
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