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ATカリキュラムの改定について

2022年1月27日:情報公開
2022年2月3日:「カリキュラム改定に伴う養成講習会受講者の対応」を追加
2022年12月20日:テキストの購入に関する案内文を追加


 1994年から養成を開始した日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー(以下、JSPO-AT)については、2006(平成8)年にカリキュラム改定を行い、これまで養成を行ってきました。前回のカリキュラム改定から10年余りが経過し、「JSPO-ATの資格制度の背景変化」「スポーツ現場のニーズ拡大、求められる役割の変化」「スポーツ現場での誤った認識や指導を支える保険」「コンディショニング技術の高度化、国内専門職の教育高度化、関連資格の多様化」など社会、スポーツ界の変化を受け、2022年4月より、新たなカリキュラムで養成を行います。


■INDEX 
カリキュラム改定のポイント
専門科目カリキュラム、シラバス、教材
新しい養成講習会

カリキュラム改定のポイント

JSPO-ATの役割
 前述の社会、スポーツ界の変化を受け、新たにJSPO-ATの役割(コンピテンシー・業務)について以下の通り定めました。
  JSPO-AT は、1)スポーツ活動中の外傷・障害予防、2)コンディショニングやリコンディショニング、3)安全と健康管理 、および4)医療資格者へ引き継ぐまでの救急対応という4つの役割に関する知識と実践する能力を活用し、 スポーツをする人の安全と安心を確保したうえで、パフォーマンスの回復や向上を支援する指導者です。
 その指導対象は、日本代表やプロスポーツ選手などとして活動する競技者のみならず、地域スポーツクラブ、学校・大学等の運動部活動、民間スポーツ施設、地域のスポーツセンターなどでスポーツ活動をするすべての人々です。
 
 
 
 
 

〇コンピテンシーに基づく3P(AP,CP,DP)
 上記したコンピテンシーに基づきJSPO-ATにおける3つのポリシーを定めました。日本スポーツ協会公認スポーツ指導者養成における3つのポリシーと併せてJSPO-ATの養成が行われていきます。
 AP:  スポーツ関係機関・団体等と連携して、スポーツをする人の安全と安心を確保し、パフォーマンスの回復や向上を支援する意欲がある者を受け入れる。
 CP:
1.ディプロマポリシーを達成するために、共通科目と専門科目の2つのカリキュラムによる体系的な学習を促す。
2.スポーツの意義と価値を理解し、幅広いスポーツ医・科学等の知識を身につけるための共通科目を設置する。
3.スポーツ活動中の外傷・障害予防、救急対応、コンディショニングやリコンディショニング、および安全・健康管理等に
関する専門的な知識と技術を身につけるため、講義と実習で構成される専門科目を設置する。
4.本カリキュラムでは、180時間を越えるスポーツ現場での実習を通じて、共通科目および専門科目で身につけた知識と技能を実践に発展させるように促す。
 DP:
公認アスレティックトレーナーの教育カリキュラムを修了し、日本スポーツ協会公認スポーツ指導者共通の質・能力に加え、次の質・能力を身につけた者に公認アスレティックトレーナーの資格を与える。もって、公認アスレティックトレーナーの役割による社会貢献を期待できる人材を養成する。
1.知識・技能
スポーツ医・科学の知識を有し、スポーツ現場においてスポーツをする人の安全と安心を確保し、パフォーマンスの回復や向上を支援するための技術を有する者。
2.思考・態度
・自らの役割を遂行するために、常に学び続けることができる者。
・科学的根拠に基づいたスポーツ環境の構築に寄与できる者。
・多様な人材と、有機的に連携できる者。
AP: アドミッションポリシー (資格取得希望者の受け入れに関する方針) 受け入れる資格取得希望者に求める学習成果を示すもの。
CP:カリキュラムポリシー(教育課程の編成及び実施に関する方針) 教育課程(基礎教育と専門教育との連携、カリキュラムの体系化など) 教育内容・方法=科目(シラバス、教授・学習法) 評価方法(成績基準や評価方法の明示)
DP:ディプロマポリシー(認定に関する方針)「資質・能力の中身:知識、技能、態度」/「資格認定の基準・方法」/「社会からの期待」
※日本スポーツ協会公認スポーツ指導者養成における3ポリシーはこちら

専門科目カリキュラム、シラバス、教材

 専門科目カリキュラムは下記の通り変更となります。時間数に変更はありませんが、学習内容の構成、使用するテキストなどが変更となります。

●:ATのコンピテンシーに直結する科目(専門科目)
〇:ATのコンピテンシーに関係する必要な科目(専門基礎科目)
※新しいカリキュラムでは共通科目課程と合わせ、専門基礎科目から専門科目の順に学ぶことが望ましいとしています。
※各種参考資料はテキスト記載のURLなどから得られる情報を含むとしています。
※カリキュラムの詳細(シラバス)についてはこちら

カリキュラムのポイント

○公認アスレティックトレーナーの教育カリキュラムは日本スポーツ協会公認スポーツ指導者の共通科目と専門科目からなる。
○公認アスレティックトレーナーの専門科目カリキュラムは、コンピテンシーに沿った専門的な知識と実践に関わる内容と、それらの基盤となるスポーツ医科学の基礎知識に関わる内容から構成される。
○養成講習会における集合講習では、日本スポーツ協会公認ATの役割の概説に加えて、実践能力が必要とされる内容を中心に実施する。
○旧カリキュラムにおける検査・測定と評価の実践は、必要とされるカリキュラムに含むものとし、その分の教育時間の確保を図る。
 
専門科目テキスト作成におけるポイント
○公益財団法人が出版するテキストのため「社会全体の機能向上に繋がるもの、さらには社会の規模拡大に寄与する」内容であり「正しく、公平でありながら、信頼のある」内容とする。
○「リファレンス」形式でテキストを作成する。
○「JSPO-AT(日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー)」という言葉と「AT(概念としてのアスレティックトレーナー)」という言葉を意識して使い分ける。
○JSPO-ATとしての業務に必要な標準的・普遍的内容を解説。実践的な内容は、JSPO-ATが実施できる技能に絞って記載する。
○知っておくべき「知識」とJSPO-ATが「できること」を意識・区別。特に医療資格者が行うべき行為(例:マッサージ、特定診断検査法)は、JSPO-ATとして業務を遂行する上で必要とされる情報として整理記載し、その場合でもJSPO-ATが実施できる範囲をわかるように記載する。

※新しい専門科目カリキュラムに対応したテキストは、指導者マイページから購入が可能です。
詳しくはこちら
 

新しい養成講習会

新カリキュラムの養成講習会 
2022(令和4)年度より、上記したカリキュラム内容に基づき養成講習会を実施します。養成講習会の詳細についてはこちら

カリキュラム改定に伴う養成講習会受講者への対応
現在、有効期限内の受講者において未修了の講習会がある場合の対応については以下の通りとなります。

・カリキュラム移行に伴う、受講料の差額返金は行いません。また、追加徴収も致しません。
・新カリキュラム講習会受講に必要なテキストは無償で提供いたします。
・受講有効期間の延長はございません。
・検定試験は受講した講習会内容に応じて受験いただきます。現カリキュラムの内容で5期講習会まで修了された場合には、現在の試験制度に則って受験をすることとなります。

今後のスケジュール

 当協会ではアスレティックトレーナー部会を中心に引き続きカリキュラム改定に取り組んでまいります。予定されている主なスケジュールは以下の通りです。
○2022(令和4)年 11月下旬    新カリキュラムテキストの完成
○2023(令和5)年 1~2月     新カリキュラムでの専門科目講習会の開催

なお、免除適応コースに関係する情報については決まり次第お知らせします。