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総合型地域スポーツクラブに関するお知らせ

総合型クラブ2009/10/20

メルマガ(第48号)連携ニュース 【4】 <今月のひな型>「しいだコミュニティ倶楽部」の“情報”という資源を創り活用する調査

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【4】  <今月のひな型>「しいだコミュニティ倶楽部」の“情報”という資源を創り活用する調査


今回ご紹介する「しいだコミュニティ倶楽部(通称:しいコミ)」は、
平成17年に日体協の育成指定クラブとして設立したクラブです。

高齢化の進む町(福岡県北東部に位置する町で、2006年に2つの町が合併。
人口およそ2万人)で、それに見合った等身大の運営(会員は現在約330名)
を心がけ、多世代の事業を展開しています。

設立に先駆け、平成15年に地域住民を対象としたアンケート調査を行って
いるのですが、本クラブの事例をもとに「総合型地域スポーツクラブになぜ
調査が必要か、アンケート調査とは何か」について考えてみたいと思います。


●調査の目的は明確ですか?

そもそも、なぜ調査をやるのでしょうか?

重要な理由の一つに「ニーズ(社会的な課題)を調べるため」があります。
調査をすることで、クラブやスポーツ関係者にとって「やりたいこと」が、
地域住民にとって「やるべきこと」につながっているのかどうか、それが
クラブにとって「できること」なのかどうか、を客観的に把握するのです。

本クラブの場合、まずは地域住民のスポーツニーズを調べることで、
何が求められていて、地域のスポーツ資源でできることを模索するために
調査を行った、ということでした。

(調査票は文末関連ファイル参照。一般、小学校低学年、小学校高学年、
  中学生と、対象別にきめ細かく調査票を作成。構成、レイアウト、質問、
  言葉づかいなど、わかりやすく的確な、優れた調査票です)。

また、総合型地域スポーツクラブにとっては、付加的に広報やクラブ名・
スタッフの募集を兼ねて行うところもあるようです


●目的にあった調査方法を選ぶ

調査の基本は「たずねる」「かぞえる」「くらべる」です。
どのように「たずね」、どのように「かぞえ」、どのように「くらべる」のかを、
予め決めておきましょう。

アンケートで言えば「何を聞き、どのように用紙を配布し、どのように回収し、
どのように集計するのか」を決めるということです。

しかし、アンケートという手法は、あくまでも手段の一つに過ぎません。

「なぜアンケート調査なのか?」というと、「直接聞くことができないから」
なのですが、さて「本当にクラブは地域に直接聞けない」のでしょうか…
皆さんのクラブはどうですか?

調査の目的は学会発表や論文作成ではなく、その結果を、スポーツを通じて
地域に生かすことにあります。無作為抽出や全戸配布、統計的検定を絶対に
しなければならない、ということではありません。

本クラブはアンケート調査を行っていますが、総合型地域スポーツクラブの
浸透のために、まずは行政と協働して地域のスポーツニーズを客観的に測定
しようと、予め大学の先生と内容や評価方法を吟味し、無作為抽出で郵送・
回収し、集計は大学に依頼(予算も計上し、大学と契約)する、ということを
きちんと委員会で話し合いをしていたのでした。

こういった話し合いに時間をかけることが意外と行われていません
(予算化せずに、回収したアンケートを大学に丸投げしてしまう例も!)。

また、クラブマネジャーは「現場で地域の人と話をして、生の声が毎日聞ける
ので、活動開始後は特にアンケート調査といったことを行う必要性は感じません」
と言っておられました。

現場の生の声をデータベース化(付箋にメモ)して、スタッフで共有する
(会議で話す)ことは、情報の資源化としては最大限活用したいところです。


●調査の設計と集計

「何をしらべるのか?」を、よく吟味しましょう。

「調査してみないとわからない」という声をよく耳にしますが、「調査しなく
てもわかること」は意外と多いですし、目的のない調査は時間やお金、
協力者の善意を無駄にしてしまうことにもなりかねません。

また、地域住民に「やりたいスポーツ種目を聞くこと=スポーツニーズ」
でもありません。「なぜ、その種目をやりたいのか?」という地域のつぶやき
こそニーズなのです。

数値の集計だけでなく、スタッフでその数値の意味を考えることがとても重要です。

本クラブでは、集計によるスタッフの意見を町の資源に照らし合わせたとき、
既存組織の連携よりもまずは単独で設立したほうがベターであるという
結論を出しました。


●地域に参加と行動を呼びかける報告書を!

調査は結果を出すことが目的ではなく、それを地域に反映することが目的です。

調査はクラブの満足のためにあるのではなく、地域の満足のためにあります。

本クラブでは調査に協力してくれた地域住民やクラブ会員の意見を、行政や
既存組織ではなく顔の見える関係としてのクラブが事業(バスハイク、ホークス
観戦、多世代の囲碁将棋クラブなど)として反映させることで、地域がスポーツ
に主体的になっていることを実感しているようです。

クラブは現場で作るもの…クラブの調査もその視点で行いたいものです。

        (内田満  福岡県クラブ育成アドバイザー、
                  協力:中山育美  しいだコミュニティ倶楽部クラブマネジャー)



【しいだコミュニティ倶楽部連絡先】

〒829-0392
  福岡県築上郡築上町大字椎田891-2  築上町教育委員会椎田事務所内
  TEL0930-56-0300(内線331)  FAX0930-56-1405
URL:http://www.town.chikujo.fukuoka.jp/htcods/shiikomi/index.html
Email:kyotaiku@town.shiida.fukuoka.jp
        ★メールで問い合わせの場合、件名に「しいだコミュニティ倶楽部について」
          という文言を入れてください


  

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