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総合型地域スポーツクラブに関するお知らせ

総合型クラブ2009/03/23

メルマガ(第41号)連携ニュース メルマガ3月号 <特集> 会員が900人いるクラブの会費設定 Willスポーツクラブ(青森県)

※本ニュースは本日配信の「総合型地域スポーツクラブ公式メールマガジン第41号」と連携した内容となっております。
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■【地方都市型】Willスポーツクラブ(青森県)~月会費数千円、指定管理施設・スタッフ活用

●クラブや地域の特徴

  「Willスポーツクラブ」(青森県青森市)は、指定管理者となった企業コンソーシアム「スポルト青い森グループ」が、一事業として立ち上げたクラブです。管理運営している施設は、「新・青森県総合運動公園」のアリーナ、温水プール、テニスコート20面、合宿所もある施設と、陸上競技場、野球場などがある「青森県総合運動公園」です。

  もともとスイミングなど専門性の高い指導者による各種教室が行われており、教室の会員が400~500人程度いました。平成20年3月に総合型クラブを設立し、4月から会員募集を行ったところ、年末には約900人の会員数にみるみる増大しました。この急速な会員増加の理由は、周辺に手軽にスポーツができる類似の施設がないことと、市内の民間スイミングクラブが2つ閉鎖されて、その会員の受け皿になったことなどが考えられます。
地域住民にとっては、クラブができて、以前行っていたスポーツを再開する機会になったり、スキル向上に伴うコースの変更がしやすくなったりしています。

●活動の実際と会費設定

  年会費は大人3,000円、中学生以下2,000円です。年会費の内訳は、スポーツ保険及びクラブ事務局運営費に充当されます。内訳が明確でお得感がある年会費なので会員に好評です。一般管理費分を残さなくても大丈夫なのは、施設使用料がかからないうえ、指定管理者である親会社の従業員がクラブの運営を兼ねているという恵まれた環境にあるからです。

種目によって月ごとの活動費があり、以下のようになっています(平成20年11月現在)。
・「公式テニス」  一般2,000~2,500円(屋内外があるため季節により変動)
                    ジュニア(中学3年まで)1,800~2,300円
・「ソフトテニス」、一般2,000円、ジュニア1,500円
・「少年相撲」(小学生)2,000円
・「女子野球」(小学生~中学生)、2,500円(冬季の4ヶ月間はトレーニング期間で1,500~2,000円)
・「ボクシング」一般2,000円、ジュニア1,500円
・「中3公式野球」1か月単位3,000円(中学は軟式だけなので高校の硬式野球に慣れるため)
・「フェンシング」2,000円
・「ブローカート」大人2,000円、子供1,000円(ニュージーランドで盛んなヨットの陸上版スポーツ)
・「スイミング」一般3,000円、子供3,000円(週1回)、4,500円(週2回)、選手コース3,000円(1回)

  上記の種目は、地域の既存クラブにある種目と競合しないように配慮ました。
  人気があるのは、スイミングで300人ほど会員がいます。目的は、体力つくりや泳げなかった人が泳げるようになりたいという会員が大半です。  

  スイミングは、回数や時間帯がきめ細かく設定されていることが、会員にとっての通いやすさにもつながっています。たとえば、小学生のスイミングであれば、月、水、木、金曜日が17:15~18:15、土曜日は15:00~16:00の時間帯で、週1コースであれば、月、水、木、金、土、どの曜日でも選択できますし、週2コースでも月水、月木、月金、水金、水土、木土の6つの組み合わせから、自分の都合に合わせて選ぶことができます。スイミングとフェンシング、ボクシング、またはテニスなど、2つの種目をかけ持ちしている人もいます。  
  
  会費徴収は、月謝袋方式で会員が毎月現金を封筒に入れて指導者の方に手渡す形で行っています。その後は、会計担当者により一元管理しています。この方式でとくに問題はなく、月ごとの徴収のため、都合の悪い月は事前に申し出ることで、休会(手数料500円のみ)もできるようになっています。
  また、現在、新年度から種目により会費徴収方法について、銀行振り込みの実施についても検討中です。

●収支構造と今後の課題・展開

  月ごとの会費の設定は、指導者の謝金を中心に、消耗品、備品などの経費を差し引き、収支差ゼロで赤字が出ないように設定しています。そのため、種目ごとで額が異なっています。会員が増えると講師も消耗品も増やす必要があるので、会員が増えれば単純に収益が上がるというわけではありません。
  
  素晴らしいキャリアのある優れたインストラクターがいて民間に劣らない施設にもかかわらず、民間のクラブやスクールより安い会費で受けられることが、クラブの会員数を増やしている大きな理由と考えられます。月2,000~3,000円という価格帯は、施設と指導者の質が一定以上であれば、大都市でなくても大きな需要があることを事例は証明しています。
  
  民間のクラブにはない種目があり、団体で加入できるのも、このクラブの魅力です。ソフトテニスは、中学校の部活動が団体で会員になっています。少年相撲では総合運動公園の空いている部屋に、親たちによる手作りの道場が作られました。月1回、チャンコ会もやっており、1時間かけて通ってくる会員もいます。
  
  実際、指定管理者の親会社があって、この会費設定を実現できています。しかし、指定管理者は有期限であり、切り替えの際に他の企業に変わる可能性はゼロではありません。このリスクへの対応が、クラブの最大の課題となるでしょう。
  現在は、種目ごとの活動が中心ですが、種目の中で年代を超えた交流や大会の手伝いなどは行われています。テニスでは、交流試合を合宿形式で行い、新旧会員が仲良くできています。今後は、全種目のスポーツを体験できる機会をもてるような「スポーツまつり」の開催を考えています。

(協力:嶋中  大  Willスポーツクラブ  クラブマネジャー)