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総合型地域スポーツクラブに関するお知らせ

総合型クラブ2009/02/20

メルマガ(第40号)連携ニュース  メルマガ12月号 <特集> 「競技力」でクラブの魅力アップ NPO法人クラブスポーツバイキングぶんすい 

※本ニュースは本日配信の「総合型地域スポーツクラブ公式メールマガジン第40号」と連携した内容となっております。
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■(3)NPO法人クラブスポーツバイキングぶんすい  ~地域の人々で支える部活動と競技力

●クラブの成り立ち・特徴  ~月会費数千円で会員800名超、入ってみてわかる良さ

  クラブスポーツバイキングぶんすい(以下、クラブ)は、平成12年、旧分水町(現在、燕市)の生涯スポーツ進計画の重点項目に「総合型地域スポーツクラブ(以下、総合型クラブ)育成」が位置づけられたことが契機になり、旧分水町長の強いリーダーシップのもと行政主導型で平成15年6月に設立された。人口数の割にスポーツ施設が多いこともあり、各種スポーツ施設が減免措置により格安で使えるなど恵まれた環境にある。

  旧分水町はスポーツが盛んな土地柄である。もともとスポーツ活動が活発であると「総合型クラブは不要」といわれることが多い。しかし、設立できたポイントは、既存団体にない新しい種目を加えるようにしたことと、各団体で行っている「めんどうな事務作業を、総合型クラブが行う」ことをメリットに打ち出した点が大きい。
後者は具体的には、保険手続きや種目会費の徴収業務の代行を行う。たとえば、サッカーの場合、クラブの月会費1,000円、サッカーの種目会費2,000円、合計3,000円を一括して口座引き落としをクラブが行い、2,000円をサッカーの口座に振り替える。

  月会費は、種目によっては活動費も含め1人数千円。直営の教室は、月会費1,000円に300円程度のチケットが毎回1枚必要となる。設立当初、地域住民に「会費が高い」という印象をもたれたが、「健康系、脂肪燃焼系など目的に応じた教室がある」「何種目でも体験できる」「複数種目をかけもちできる」「各種イベントも参加できる」など、入ってみればその良さがわかり、徐々に会費を「高い」と感じなくなっていった。こうなるまで数年はかかったが、今は理解してもらっている。平成20年10月には、文部科学省の「生涯スポーツ優良団体」を受賞した。

●地域とのつながり・拡がり  ~クラブが調整役となり部活動へ指導者を派遣

  設立当初は、既存種目の会員を中心に220名だった会員が、1年後には約300名も増え500名を超え、設立から4年後には会員数が800名を超えた。今の子どもたちの祖父母の代から青年大会など地域ではスポーツが活発に行われていた。祖父母から親へ、親から子どもへスポーツに対する価値観は引き継がれる。クラブの会員数が急速に増えたのも、実はこんな地域の歴史が背景にある。

  「会員広報誌」の総会報告号では、すべての種目・事業の活動日数や参加者数、収支決算書、事業計画書など詳細が掲載されている。情報がオープンで透明性が高いことは地域から信頼を得るのに重要なポイントである。
クラブの収入は平成19年度決算で約2,600万円だが、うち会費収入35%、補助金20%、委託金8.5%、繰入金23%、その他13.5%という内訳である。燕市からの補助金は、平成20年度からなくなった。

  クラブは学校部活動と密接な関係をもつ。利用する体育館が学校の隣にあるという地の利もある。外部指導者派遣を、教師や保護者の意向を聞いたうえでクラブが調整して行っている。あくまで学校側が必要とする場合のみ、クラブから指導者を学校に派遣するが、地域の指導者による継続的な指導が可能になっている。今は、校長が異動のとき「部活動をよろしく」といわれるほどクラブと部活動の関係は深い。一方で、部活動のトラブルに関する相談もクラブの方にくるが、「青少年のスポーツ活動を学校で全部抱えて行う時代ではない」という考えで対応している。

●競技力と生涯スポーツとのつながり  ~部活動と社会教育のつながり、地域の応援、遠征に使えるバス

  陸上、体操、カヌーなどの競技は、全国大会に出るなど優秀な成績をおさめている。中学生の活躍は、部活動の活動時間の延長が背景にある。午後5時45分までは学校保険適用の部活動で、午後5時45分からは社会教育としてクラブの保険が適用される活動となる。午後7時頃まで練習を続けられ、試合前などは大変ありがたいといわれる。この方式により、男子バスケットボールでは、一時低迷していた大会の成績も現在は上昇している。

  クラブでは29人乗りのバスを所有している。1日1,000円(ガソリン代別)という格安で貸し出しを行っており、試合の遠征などによく使われている。バス目当てでクラブの会員になる人もいるほどの人気で、バスの存在は、会員確保や競技力向上に大きく貢献している。このバスは、NPO自立支援金がついた際に購入したものである。

  陸上の駅伝で全国大会に行く際には、1週間で100万円の寄付が集まる。子どもたちが普段お世話になっている病院からは10万円もの寄付をもらった。地域のスポーツに対する理解や応援が子どもたちの励みになっている。
また、高い実績をつくると「次もがんばろう」と引き継がれていくものである。このような目に見える競技成績の向上は、地域を盛り上げ活性化させる。学校依存型の部活動には限界を感じている。今求められているのは地域協働型のクラブではないだろうか。

  種目を超えて人材が出入りできるのも、いい意味での競争環境と連帯感をつくり子どもたちを刺激している。
たとえば、バスケットボールの選手が、駅伝に出るなど掛け持ちして試合に出ることがある。一つの種目にとらわれず他の種目にチャレンジすることで、新たな可能性を引き出すチャンスを生む。固定化したレギュラーを刺激すると共に、新たな連帯感をつくりだす効果が期待される。

  但し、厳しい練習についていけない子どもでも、スポーツを楽しむ場があるのが総合型クラブの良さである。
「うちの子に合ったスポーツありますか?」とクラブに相談にくる親がいる。クラブでは、競技実績のある陸上、体操などの種目でも、気軽に参加できる場を用意している。

●今後の展開・課題  ~指導者には今後「「地域をまとめあげる指導力」を期待

  クラブぶんすいには、正職員が3人いる。平日、午前8時30分から午後9時15分まで二交代制でシフトを組む。
土日などの休日にイベントや行事が多く職員は手一杯であり、クラブの会員数は増やせない状況にある。「休日には携帯電話が鳴りっぱなし」と事務局長の本多さんは苦笑する。「でも、会員が増えるなど成果がみえて楽しいです。苦情などがあっても話をきちんと聞いて、1つずつクリアしていけば必ず良くなるので」と笑顔で話す。

  平成18年に合併があり、燕市にあるクラブになった。3つの市と町で合併したものの、旧分水町と周囲の市町の土地柄は異なっている。車で10分あれば周囲から十分来られる距離にあるのだが、「どうして旧分水町だけにクラブがあるのか」ともいわれる。

  指導者のための研修まで今は手が回らないが、今後行っていきたい。スポーツの技術だけにとどまらない指導者像だ。青少年に対しては挨拶や生活態度も含めて指導ができること、また保護者の強い発言や相談なども多い今日、「地域をまとめあげる指導力」も求められる。「まだまだ発展途上ですが、地域の特色を活かして、地域の様々な課題解決へ取り組むシステムづくりの担い手となるクラブを目指したい」と本多さんは未来を見据えて語った。

                                  (協力:本多政則  NPO法人クラブスポーツバイキングぶんすい事務局長)

【クラブの連絡先】
〒959-0121 新潟県燕市分水向陽1番2号  燕市分水総合体育館内
電話0256-97-3188  FAX0256-97-3168

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