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総合型地域スポーツクラブに関するお知らせ

総合型クラブ2008/06/20

メルマガ(第33号)連携ニュース 高知「よさこい祭り」 知名度の高い祭りを通して総合型クラブをPR

※本ニュースは本日配信の「総合型地域スポーツクラブ公式メールマガジン第33号」と連携した内容となっております。
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●よさこい祭りの紹介

  土佐の高知には、毎年夏の決まった時期に、ある熱風が押し寄せてくる。華やかな衣装をまとって華麗に舞う美女。街を揺さぶる力強き男たち。笑顔やそぶりがかわいく、見ている者を自然と笑顔にしてくれるエンジェルたち・・・・。この時、高知は、人と街が共鳴し、大きな地響きを引き起こす。その興奮はとどまることなく高知の夏を彩っていく。約200団体、20,000人の踊り子が暑い高知をさらに熱くする。

  そのエネルギーは、全国各地に飛び火し、北海道では「YOSAKOIソーラン祭り」が生まれ、東京では「スーパーよさこい」ができるなど、その流れはとどまることを知らない。

●よさこい祭りへの取り組み

  「NPO法人総合クラブとさ」の「よさこい」への取り組みの始まりは、設立準備委員が飲み会(準備会の後の慰労会?)の席で、「設立総会で何かしよう!」と言い出し、「他のクラブがやっていないものでクラブの目玉になるものを皆でやろう」ということになったのがきかっけであった。

  スポーツ教室等に参加していた子どもや保護者などを誘ったところ、すぐに70名程度集まり、練習を重ね設立総会での披露となった。そのメンバーが中心となり、これだけで終わるのではなく、高知市で行なわれるよさこい祭りの本番にもチームを作り、土佐市から参加しようと無謀なこととなった!?よさこい祭りに参加するには、ざっと見積もっても400万円近い経費がかかり、それを支えるスタッフも多く必要になる。その本番にチームを率いて参加した者やそのような経験をした者もクラブには誰もいなかった。しかし、そこは高知県民特有の「何とかなるさ」という安易な考えで取り組みが始まった。
  
  8月の本番に向け、5月から練習を始めることとなり、地元の愛称である「ブルードラゴン」からチーム名を「しょう青りゅう龍」とし、土佐市内のスーパー、各小・中学校、市役所など人目を引くところに「踊り子募集のポスター」を貼りまわった。併せて、音楽、振り付け、衣装の製作など想像を絶するようなスケジュールのもと、スタッフが昼夜を惜しむことなく練習、準備に駆け回った。

●地域の力が成功への鍵

  踊り子の衣装もクラブ会員の女性の方や地域の方が、ボランティアで100着程作ってくれた。自分たちのボール体操教室が終わったあとや仕事が休みの日などに多くの方が製作に携わり、裁断から裁縫までの作業をしてくれた。その衣装を高知新聞紙面に今年の注目衣装として取り上げてもらったときやその衣装を見た方から「いい衣装やね」と言ってもらえたときには、その方々の顔が浮かぶとともに感謝の気持ちで一杯になった。
  
  よさこい祭りのチームを先導するのになくてはならいのが、派手にお化粧をしたトラック「じかたしゃ地方車」である。存在感大の地方車はチームの顔。照明や音響機材を搭載し、先頭で踊り子たちを率いている。
  この地方車もスタッフや地域の大工さん、電気屋さん、看板屋さんをはじめ多くの方が手伝ってくれ、自分たちで作り上げたものである。地方車の壁面には、踊り子、ボランティアで裁縫してくれた方や地方車の製作に関わってくれた方、寄付をいただいた方など、よさこい祭りに参加するのにお世話になった方々の名前を入れることにした。

●よさこい祭り本番

  真新しい衣装に袖を通し出番を待つ踊り子、音響の準備をするスタッフ、暑い中踊り子を待つ観客、その中を華やかに装飾した地方車がゆっくり進み所定の位置に着く。

  リーダーのマイクパフォーマンスとともに、踊り子はスタンバイ。大音量の音楽は祭りのアクセル。この音を聞けば、心が動き、体も動く。音楽・踊りに合わせて大声を出すことで、エンジンは全開になる。

  100人前後の踊り子たちが跳ぶ、舞う、決める、その舞は壮観の極みだ。一人ひとりの力が集まって、全体の大きな力となる。失敗してもいい。ただ、思いっきりその手を伸ばし、その足を動かし、鳴子を鳴らすだけ。一年に一度の晴れ舞台である。
  
  2日間にわたり、高知市内を駆け巡り、踊りに踊った。一番長い競演場(約1000m)では、約50分間踊りっぱなし。そんな中でも、踊り子の笑顔、ほとばしる汗、自信に満ちた顔、真剣なまなざしは見る者、スタッフをも感動させた。
  最終の競演場では、最後の最後に雨にもあったが、踊り子は大雨も気にせず、時間を惜しむかのように最後のよさこい「しょう青りゅう龍」を踊りきった。参加した者全員が言葉にできないほどの満足感、充実感を感じ幕を閉じた。

●よさこいを通しての地域とのつながり

  このよさこい祭りへの参加を通じて、地域の多くの方の協力がなければ、われわれ総合型クラブだけでは、十分なことができなかったと思う。本番の1週間後に地元で大きな夏祭り「大綱祭り」が行われたが、「青龍」はそのお祭りを盛り上げるため再び踊りを披露した。地元から生まれたよさこいチームが地域へのお礼を込め一生懸命踊った。
  
  この踊りを見たいろいろな方から賛辞をいただくとともに、地元の小学校から運動会でこの踊りを使いたいとか老人ホーム等からオファーあり、その後も踊りを見せる機会をいただいた。
  また、今回の取り組みを地元ケーブルテレビが密着取材を行い、特集番組「土佐からよさこいへ青龍の挑戦(約30分)」を作成してくれ、地元を始め、県内のケーブルテレビでも放映していただいた。

●課題・次へのステップ

  もうすでに、今年のよさこいへの取り組みは始まっている。昨年度の準備よりも、早めに取りかかり、地元のお祭り「大鍋まつり(5月)」でスタッフによる今年の衣装と踊りの披露を行ない、会場で募集のチラシなども配り、参加者の募集を行なった。
  また、練習会場も、一箇所だけでなく、高齢者や子どもも参加しやすいように、練習会場を増やした。その甲斐あって、練習初日には、60名程の参加者があり、昨年度と違った顔ぶれも多く見られた。親子での参加、高齢者の参加も増えるなど初めてよさこい祭りに参加する人たちができはじめた。

  一人ひとりの力には限りがあるが、多くの力が集まれば、それは時として何かを変えることができるかもしれない。
  「スポーツで、私も、土佐市も、もっと元気に!!」をクラブのキャッチフレーズに、よさこいを通して、地域に愛されるクラブであり、地域に育ててもらうクラブとして、まちづくり・地域おこしの担い手となっていければと思う。
              (前田義朗   総合型クラブとさ運営委員会、高知県教育委員会スポーツ健康教育課指導主事)

【事例のポイント】
◆はじまりは設立総会でのイベント企画。参加経験がなくても、「何とかなるさ」という楽観姿勢も大事。
◆地域からの賛同・協力を得やすいイベントだが、裏で支えてくれた一人ひとりの名前を出して感謝した。
◆「晴れ舞台」に向けて練習を重ね、大きな目標に向かって皆で心ひとつになることで得られる達成感・満足感。
◆地元への恩返しを忘れず、気がつけば「地域に育ててもらっている」総合型クラブになっていた。

【イベント・地域関連情報】
▼「第55回よさこい祭り」イベント概要
開催日:【前夜祭】平成20年8月9日(土)  【本番2日】10(日)・11日(月)
  【後夜祭、よさこい全国大会】12日(火)
会  場:高知市内9カ所の競演場・6ヶ所の演舞場(昨年は、国内外から延べ約120万人訪れた)


よさこい本番
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地方車