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総合型地域スポーツクラブに関するお知らせ

総合型クラブ2007/12/20

メルマガ(第27号)連携ニュース クラブ設立カレンダー ~柵原星の里スポレク倶楽部(岡山県美咲町)~

※本ニュースは本日配信の「総合型地域スポーツクラブ公式メールマガジン第27号」と連携した内容となっております。
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  今回紹介させて頂くクラブは、岡山県の「柵原星の里スポレク倶楽部」である。このクラブは、岡山県の中央部に位置した久米郡内の美咲町にあり、(旧)柵原町の地域住民6500人を対象としている。柵原総合文化センターの2階の空き部屋を事務局(クラブハウス)として借り受け、常時クラブマネジャーや代表が顔を出し、会員のだれでもが、気軽に立ち寄ることのできるスペースとなっている。
  久米郡内の3町を合併した美咲町では、旧3町のそれぞれの立地条件を考え総合型クラブの設立によりスポーツ振興を図ることを目指していたので、(旧)柵原町の動きを支持し、理解を得ることができた。現に(旧)中央町にも「柵原星の里スポレク倶楽部」から遅れること1年後に「夢咲きクラブ」が設立されている。
  また、「柵原星の里スポレク倶楽部」では、地域内に点在している6箇所の体育施設を平成18年10月1日より指定管理者として管理を行っている。このように町との協働のもと現状は順調に進んでいるが、やはり設立に至るまでにはひとかたならぬ苦労が伺える。その設立に至るまでの具体的な経緯を壷内代表にお聞きすることにした。

☆はじめに・・・クラブづくりのきっかけ(体育指導委員からの呼びかけ)  
(旧)柵原町で総合型地域スポーツクラブの設立について体育指導委員の中から声が上がり始めた。体育指導委員は、まず始めに柵原町内全ての各種団体の代表者に声をかけ、総合型クラブの学習会を計画し3回開催した。初回は、総合型クラブの概要を説明しても質問が全くなかった。そのときに次回開催するまでの期間に配布した資料等を参考に、所属している組織の人と話をして欲しいとお願いした。次回は代表者の方だけでなく、もう一人学習会に参加することを約束して解散した。2回目からは参加者が増え、質問も数多く出てきた。3回目になると意識も向上し、総合型クラブ設立に賛同し協力してくれる団体と、総論賛成各論反対の意見をもつ非協力的な団体とがはっきりとしてきた。

☆日体協委託事業申請・・・育成指定クラブになる(行政担当者の協力)
総合型地域スポーツクラブ設立に向けて、地域の各種団体に説明し、賛同者と話し合い、まずは始めることだと考え、日体協の委託事業に申請することになった。しかし、思いはあるものの、委託事業の申請書・事業計画書等の、事務処理は初めて行う人には決して生易しいものではなく、当時の担当者が、体指の皆さんの意見を参考に申請書・予算案・事業計画書等の作成を手がけ、無事に委託事業申請にこぎつけた。

☆クラブ設立準備委員会・・・準備委員選定会議→設立準備委員会
総合型クラブ設立に向け、設立準備委員の選定会議を行った。全ての団体の方に声をかけた勉強会の後だったので、当然賛同者が準備委員に立候補・推薦されると考えていたが、非積極的団体の代表者が準備委員に名をあげてきた。このことは、新しいスポーツシステムづくりとして総合型クラブが「どんなことをしていくのか」という興味・関心を、非積極派が持っていたことに他ならなかった。
しかし、設立準備委員会を開催していく中で議論を重ねていくと既存の団体との関係や現在の公民館活動で充分である等、非積極的意見(反対意見)がでて理解されにくかった。
結果として、半年の空白期間ができ、規約案や組織づくりがストップした。

☆運営委員会・・・部会設立
設立準備委員会は事実上ストップしたが、その間、運営委員会が3部会に別れ会議を重ねた。広報部会では、住民アンケートによりニーズ調査を行い、スポレクニュースを発行しクラブの活動を内外に発信した。また、企画部では試行教室を考えたり、イベント等を企画したりとクラブの基礎となる活動を実施し始めた。その間、総務部会では、設立趣意書・規約案などについて話し合いが続けられ、非積極的であった方たちへも情報を提供し続けた。それにより「柵原星の里スポレク倶楽部」に対して、理解が得られてきた。

☆会員募集開始・・・本格的始動準備
パンフレット(プログラム)作成の後、会員の募集を開始し、6月末のクラブ設立に向けて新体制を動き出した。準備委員会のメンバーは実施部隊から離れ理事会を発足させ、町との調整役や財源確保のために力を発揮することになった。また運営委員会では、総務部会が無くなり、新たに指導部会が設置された。新体制の下、平成18年の4月1日より各種目教室・サークル・イベントを開始した。

☆設立総会
順調に会員を獲得していく中「柵原星の里スポレク倶楽部」の設立総会が行われた。
当初会員200人を予想していたが、400人の会員を獲得できたことは嬉しい誤算であった。

★設立に至るまでの四方山話
町内学習会を始めてから設立まで、1年9ヶ月間夢中で走ってきた。苦労とか大きな失敗とかを感じることは無かった。なぜなら、町・県・県体協との連携を図り、充分コミュニケーションがとれていたことや、育成指定クラブになり事業を試行できたことがクラブ設立に大きく役立っていると確信しているからである。
あえて言えば、設立準備委員会に非積極的な方たちを迎え入れたことで、反対意見が出され、会議自体が進展しにくくなり、実際には半年間も停滞してしまった。今考えても、その方たちにとっては「どのような動きが起こるのか」「不利益にはならないのか」等心配がつきなかったため、ある意味監視の役目で携わられたように思われる。
当時は、「こんな事で前に進まないのであればこの方たちを役員に加えなかったら良かった」と考えた時期もあった。しかし、そのことが地域住民の多くに総合型クラブの意義を知らしめることとなり、協力体制が築かれるようになった。結果的にはやはり設立する時から、安易な方法を取らず土台から一歩一歩固めていくことが大切であることを痛感している。

★設立して1年半・・・
実際にクラブを運営してきて感じることは、生みの苦しみは一時であり、育てる苦労は生涯続くものであるということだ。しかし、「スポレク柵原」が地域の皆さんから必要とされている姿を見るだけで、苦労は喜びに変わっていく。今後は、「スポレク柵原」に柵原地域のスポーツ振興は任せたいと行政から思われるクラブに成長していくつもりである。
(情報提供:柵原星の里スポレク倶楽部代表  壷内邦雄)
(報告:野上幸恵  岡山県クラブ育成アドバイザー)


  

関連PDF 柵原星の里スポレク倶楽部設立までの詳細(PDF) [ PDF : 14KB ]