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総合型地域スポーツクラブに関するお知らせ

総合型クラブ2007/11/20

メルマガ(第26号)連携ニュース 今月のクラブサポーター  ~人が輝く、地域が変わる~

※本ニュースは本日配信の「総合型地域スポーツクラブ公式メールマガジン第26号」と連携した内容となっております。
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今月のクラブサポーター    ~人が輝く、地域が変わる~

  東深沢スポーツ・文化クラブ(東京都世田谷区、以下HFSCC)は、平成14年4月、もともとあったコミュニティ組織が受け皿になり、「補助金なし、自主運営」で中学校施設を拠点に設立された。HFSCC の特徴は、中学校とクラブが無理なく「共存共栄」していること。HFSCC は、世田谷区の公共施設である東深沢中学校一般開放の優先使用権を得て運営している。学校の新たな施設開放と新しい公共施設予約システム導入との
タイミングが合ったという好機もある。
  設立当初、会員は約120名だったが、丸5年を経た今、約750名と6倍に増えている。年1回、11月上旬に開催されるスポーツ・文化フェスティバルは今年で6回目。町会、商店会をはじめ地域関係各所の協力を得て、街をあげて千数百人の参加がある。中学校の施設を拠点に地域に根を下ろし、着実に活動の裾野を広げてきた。
  HFSCC は6年目を迎え、組織体制や会費など変革期にあるが、中学校との良好な関係は変わらない。HFSCC の発展には活動場所である中学校との協力関係が不可欠である。
  なぜ中学校が、総合型クラブに門戸を開き、良好な関係を築けているのか。中学校が総合型クラブを支援する意義は何だろうか。またクラブ側はどんな努力をしているのだろうか。クラブマネジャーの澁谷直子氏に東深沢中学校の山崎勉校長へインタビューをしていただいた。

【澁谷】クラブのマネジメントに必要なものは「人・モノ・金」などと言われますが、一番は「場所」だと
        思います。中学校がクラブに場所を貸してくださる理由は何でしょうか?
【校長】設立時、校長だった東谷先生が「地域に開かれた学校」を掲げて、中学校側からすれば「地域の活
        性化」がねらいです。学校の空いているところを地域の人に使ってもらうことで、地域の人の目を
        もっと学校に向けてもらえれば、というものでした。
【澁谷】当時は関西の小学校で事件などもありました。私たちクラブ員は、会員証を兼ねたIDカードを常
        に首にかけて学校に入ります。そのことでクラブの会員かどうかの区別がつきやすくなるようです
        ね。
【校長】かえって、学校内の治安が向上しています。地域の人が学校に入ってきたおかげで、地域の目が働
        いて安全性が高まったと言えるでしょう。

【澁谷】クラブとしては部活動や学校行事優先で、比較的空いている夜や土日の時間を使わせてもらってい
        ます。学校の行事等何かあれば、もちろん学校優先です。学校教育の妨げにならないように配慮し
        て使用しています。
【校長】中学校では、部活動を盛んにしたいと思っています。保護者も生徒もそれを望んでいます。クラブ
        には、部活動にない活動部分で連携したり、もっとやりたい生徒にはクラブの方でやってもらった
        りしています。がっちりした「連携」にはなっていませんが、部活動の隙間をクラブで埋めてもら
        うことができます。
【澁谷】卓球と野球は、クラブと部活動の指導者が一緒です。同じ指導者のもとでできることは生徒にとっ
        て大変よいことです。他の中学校でも、クラブと学校がもっと近づければいいのですが、なかなか
        難しいとお聞きしていますが・・?
【校長】多くの学校では施設の空きが少ないのでしょう。隙間をクラブで使ってもらえばいいのですが、調
        整が大変です。HFSCCではうまくいっていますが、他では調整前にあきらめてしまうのかも(笑)。
【澁谷】おかげさまで、とくに高齢の会員の方は中学生と話せることをとても喜んでいます。地域の人がい
        ると生徒さんも違和感なく挨拶してくれます。
【校長】生徒にとっても年齢の異なる人と話せるのはいいことです。クラブ員の方も生徒に会うと挨拶して
        くれて、生徒によい影響を与えています。当初のねらい通り、学校の敷居が低くなって開かれた学
        校になり、教育活動にプラスになっていると言えます。実際は、教員の理解がまだ、というとこと
        もあるでしょうが、土日返上してクラブに協力している教員もいますし、変わってきたという印象
        です。

【澁谷】校長先生はHFSCC の理事になっていただいていますし、運営委員会には、校長か副校長、どちらか
        には出席していただいています。フェスティバルにも来てくださいますし、HFSCC のイベントにも
        お休みにもかかわらずご出席くださっていますね。
【校長】中学校は施設や物品のみで人的支援はしていませんが、私は都合がつく限り出向きます。クラブは
        設立後、続けていくのが大変。HFSCC は会員数が増えて地域にも広がりができているよいケースで
        す。澁谷さんのように、情熱があって、各所に足しげく通って、調整・マネジメントできるスタッ
        フの方々がいないと難しいですね。
【澁谷】行政から手厚い支援がなかった分、努力するしかなく、結果的によかったのかもしれません(笑)。
【校長】HFSCC の行事があると、区長、教育長など行政の主要メンバーが挨拶にきてくれます。地域に対す
        る信用力やアピール度が断然高まります。行政に真っ向から支援してもらうと努力しなくなる傾向
        があるけれど、行政の支援が全くなくてもダメです。

【澁谷】クラブ側も一方的に学校施設を借りるのではなく、学校のお役に立ちたい、何かお返ししたいと思
        っています。貸してもらえることが当たり前ではないと肝に銘じて。学校行事での警備のお手伝い
        や地域清掃にも一緒に参加させてもらっています。PTAや保護者会でクラブの説明もしています。
        そのせいか生徒会やPTAから、フェスティバルの時にお手伝いに来てくれる方も年々増えています。
【校長】今では、学校行事にHFSCC の存在感があります。
【澁谷】先日、合唱クラブの指導者が合唱コンクールの審査員をさせてもらって本当によろこんでいました。
        それだけ学校に入り込めた証なので。そういうふうにクラブを活用してもらうのはとてもうれしい
        ことです。
【校長】これからも、部活動にない種目の指導などをお願いできる関係をつくっておきたいと考えています。
        職業体験のゲストティーチャーとしてクラブ員の人に話してもらいました。こんなことをもっとや
        っていきたい。交通費もいらずお茶一杯でOKですから(笑)。いろいろな人材がいるクラブを活
        用させてもらっています。
        校長が変わってもクラブ支援は続いていくと思いますよ。だからこそ盤石でいてください。
【澁谷】これからも、中学校とのコミュニケショーンを大事にしていきたいです。クラブ側も根底を地域で
        しっかりつくっておくことですね。
        本日は、お忙しい中、貴重なお話をいただき、ありがとうございました。

山崎勉校長とクラブマネジャーの澁谷直子さん
活動拠点の東深沢中学校
校舎脇にあるクラブ専用の掲示板