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総合型地域スポーツクラブに関するお知らせ

総合型クラブ2007/10/22

メルマガ(第25号)連携ニュース 会員の意識を変えた「名称変更」~「保護者会議」から「プロモートクラブ会議」へ

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  会員の意識を変えた「名称変更」
~「保護者会議」から「プロモートクラブ会議」へ(NPO法人スポーツクラブディアマンテ、大阪府岸和田市)

  ある土曜日の午後8時、山直中学校の図書室から光が漏れ、賑やかな声が聞こえてきた。「コーチ!いつもありがとうございます」「子どもがコーチの怪我を心配してたよ~」と、和やかな言葉もあれば、「この前の大会何で負けたの?」「みんなが試合に出られるようにしてほしい」というシビアなものや、「サッカーばっかりで勉強全然せえへんから怒ってほしい」というなんとも無邪気な発言もある。これはディアマンテ(*)サッカープロモートクラブ会議の一幕である。「保護者会議」から「プロモートクラブ会議」へ名称変更されたのは3年前。プロモートとは「主催する」という意味で、正会員が保護者で構成されている当クラブにとって、参画してほしいというスタッフの願いが込められたネーミングである(NPO法人の場合、「正会員」は議決権を持ち、運営側のポジションになる)。月に1~2回程度の頻度で、種目ごとに開催される。
  新規会員は、「プロモートって何のことですか?」と聞いてくる。そのたびに説明できるので、「保護者会議」よりインパクトがあって名称変更をしてよかったと思う。変更後まだ3年で、急激な変化があるわけではないが、今後の運営において一つのステップになった。

  「プロモートクラブ会議」は、まずサッカー代表の松田篤人が、大会予定やクラブの近況、時には栄養指導なども交えながら話すことから始まり、次に各学年に分かれ、担当の指導者との懇談へと移っていく。松田の話が終わるまでは静かに聴いていた会員も、堰を切った様に喋り始める。冒頭の発言はこの時のもので、少人数になると話しやすく、また指導者が若いこともあって、保護者の発散の場となっている。ここで大切なことは、きちんと説明できること、また要望に対しては、聞き入れながら検討していく姿勢をとることである。もちろん、要望を全て受け入れるわけではなく、なぜ受け入れられないかを説明することによって納得してもらう。各クラブで対応できないことがあれば、クラブスタッフ会議(理事会)にかけて検討し説明をするが、今のところ大きな問題はない。

  深刻な相談は、部屋の隅に構えているドンに向けられる。中学校の教師である松田は、進路や学校生活の悩み相談のカウンセリングもこなしている。10時を過ぎることも珍しくないが、こんな時代だからこそ一緒に子育てをするクラブでありたい…その対応は手抜きしたくないところだ。
  こういった触れ合いの積み重ねにより、徐々に「自分たちのクラブ」という意識が芽生え始め、システム変更や会費の変動がある時は、「会費を安くすれば勧誘しやすい」「活動日を選択できるようにすれば…」等、発案が飛び交うようになった。今年度よりサッカーは、会員の要望を聞き入れるかたちでコース選択制を導入し、会員は増員した。信頼関係を築くのは容易ではないが、いつも門戸を開き対応してきたことが、会員の成長とともに、少しずつ花開いてきた感じがする。
  プロモートの意識があるからこそ、イベントや奉仕活動で、会員たちは率先して動く。それを見た地域がNPOとしての活動を評価してくれたらありがたいと思う。皆の積極性に頼もしさを感じながら「プロモートクラブ」も名前負けではないぞ!と心強く思うこの頃である。

(*)「ディアマンテ」はイタリア語でダイヤモンドの意味。いつまでも輝きを失わないクラブライフと、原石である
    子どもたちを磨いていくというイメージから生まれた。現在、校区を広げて活動を展開、各地区では「ディア
    マンテ○○」と地域の名前をいれて活動している。
                                    (藤浪久美子  NPO法人スポーツクラブ ディアマンテ  クラブマネジャー)