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総合型地域スポーツクラブに関するお知らせ

総合型クラブ2007/09/20

メルマガ(第24号)連携ニュース クラブ設立カレンダー ~綾野ゆうゆうクラブ(滋賀県甲賀市)~ 教室からサークルそして総合型クラブへ

※本ニュースは本日配信の「総合型地域スポーツクラブ公式メールマガジン第24号」と連携した内容となっております。
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  今回登場する「綾野ゆうゆうクラブ」は、滋賀県甲賀市水口町の綾野地区(対象人口8,000人)に2006年2月26日に設立した、滋賀県で27番目のクラブである。会員は249人(2007年2月現在)。比較的年齢層に片寄りがなく、様々な年代の会員がスポーツや文化活動を楽しんでいる。訪れた時は夕刻時で、20代前後の会員が、われ先に…と体育館内へ駆け込んでいく姿に躍動感を感じた。

  体育館の2階の奥まった所にある、放送室を改装したクラブの事務局。とても親しみのもてる、温かな笑顔で迎えてくれたのが、綾野ゆうゆうクラブマネジャーの中井洋夫さんである。終始、謙遜される姿が印象的だが、お話を伺うにつれ、中井さんの口からはクラブへ対する強い気持ちが溢れでてくる。

  中井さんを始め、スタッフが大切にしているのは、“Hand to Hand” “Face to Face”。毎月会員さんに発行する広報誌を、できる限りスタッフが手渡しにして、コミュニケーションを図り、一人一人の会員を大切にしている姿勢を前面に出すようにしている。地道なことのようだが、人としての【つながり】をとても大切にしているのを感じる。
  また会員を大切にしているのと同時に、ゆうゆうクラブはスタッフが本当に楽しんで、活き活きと活動している。それは、『会議は必ず22時までに終わる』(スタッフの負担を軽減するため)、『会議における5ヶ条』(会議が必ず前向きに進行するため)等、スタッフに対する細かな配慮がある。そんなちょっとした、しかしとても大切な心配りが行き届いている。マネジャーの心意気を強く感じた。
一見、奥まったクラブの事務局。実は会員さんとスタッフの笑い声が満ち溢れている、とても心温まる空間であった。
以下、設立までの具体的な経緯やポイント等を、クラブマネジャーの中井さんよりしていただく。
(報告:河北純子    滋賀県クラブ育成アドバイザー)

  スポーツ振興審議会の答申を受け、体育指導委員が中心となって旧水口町で5年をかけて5小学校区に総合型地域スポーツクラブ設立計画が作られた。「綾野ゆうゆうクラブ」は、水口町では4番目、綾野小学校区に、実質1年で設立したクラブである。(設立までのスケジュール詳細は、文末の「関連PDF」参照)

【設立に当たっての課題】
(1)新旧住民が混在してまとまりがつきにくい地域での設立
(2)小学校区が対象でありながら、小学校施設を活動拠点としにくい事情
(3)スポ少、既存クラブが定着した活動を続けている

【課題克服のために】
(1)設立準備委員に、あらゆる立場の人を!
*まとまりにくい地域だけに、地域に理解されるクラブを目指し、あらゆる立場の方々、区長、老人クラブ、青少年育成会、商工会、スポ少、健康推進員、体育協会、クラブ代表、小学校、医師、学校体育施設開放運営委員会、学識経験者などで構成し、「地域をあげて!」「綾野学区に新しいスポーツの風を!」を強く訴えた。
(2)市の体育施設を活動の拠点に!
*ニュースポーツを主な活動内容と考え、バドミントンの支柱が立てられない(その上、会議やミーティングができる部屋もない)学校体育施設をあきらめ、設備の整った市の施設利用を働きかけ、理解を得る。クラブハウスも空き部屋を改装していただく。
(3)体育指導委員主催教室の後サークル化したものから輪を広げる!
*スポ少、既存クラブの総合型クラブへの参画が困難な状況から、過去の教室の後、サークル化したものが5つあり、「総合型地域スポーツクラブへの発展的解消」へのサークル会員の理解を得るのに時間がかかったが、理解を得られた。
(4)「小さく産んで、大きく育てる」を目標に、地道な活動で親しまれ信頼される活動を目指す。

【クラブ設立に向けた設立研修会の開催】
・「総合型地域スポーツクラブとは?」の部分を県広域スポーツセンターから講師を派遣していただき、共通
  認識しておくため、色々な立場の人に出席をしていただき、研修会を開催した。
・「今、地域の課題は何?」「欠けているものは何?」について、KJ法を使って意見を出し合い、「総合型地域
  スポーツクラブ」も課題解決の一助となりうる事で意見が一致した。
・研修会に参加してくれた人は、関心度の高い人であるので、多くの人に準備委員会のメンバーに入って
  いただくことができた。

【自治会組織を使ってのクラブ設立アピール】
・準備委員会の時から、区長会長には副会長の充て職をお願いすることで、地域に認められた存在をアピール
  する。
・綾野小学校区の区長会組織で、新旧役員引継会や会員募集の時期には、区長会の会議の場にクラブ会長、
  理事長が出席し、クラブの趣旨説明や依頼事項についてお願いし、顔つなぎをする。
・地域住民へは、区長から町代、組長、住民と組織を通じてクラブ設立アピール事業の情報を流し、理解を
  得る。*新興住宅地やアパートなど区自治会組織に入っていない住民が、かなりいるため、運営委員
  (スタッフ)が手分けして各戸に配送してまわった。

【関わっている者の顔が見えるクラブをアピール】
・住民の「総合型地域スポーツクラブ」への認識が低いだけに、設立アピール事業のチラシには、指導者やスタ
  ッフの名前をしっかり出すことで、不安を取り除く努力をする(名前を出すことで、主催者側が責任の重さを
  痛感する)。もちろん、事業そのものを実施して信頼を勝ち得る事業とする(入会の期待感)。
・実施したアピール事業の参加者写真を、許可を得て、クラブ広報誌に利用させてもらう。「あの人が参加して
  いる」「この人知っている」が参加しやすいムードを広げていく。
・活動拠点となる体育館等に、活動内容の写真を多く使った広報板を掲示する。
・人が人を呼び、綾野学区外からの会員が約50名(会員の2割)に上る。

【みんなで知恵を出し合い、よいと思うことは実行、そして楽しもう!】
・スタッフが「やりたい!」「楽しみたい!」ことを実現しよう。そのためにみんなが協力しながら楽しもうをモット
  ーに!
・地域のスポーツ施設の空き時間帯やシンボル的存在の古城山(水口岡山城跡)を活かした活動メニューを考
  えたり、老若男女、更には会員家族が参加しやすいカルチャー(外部講師)メニューを加えたことで、活動
  内容の幅が広がり、会員拡大の一助になった。

【市の協力的姿勢】
  旧水口町のスポーツ振興基本計画に基づき、「総合型地域スポーツクラブ」の設立に対して、クラブハウスへの改装費用やクラブ電話の設置、設立の当たっての指導助言等の支援をしてくれた。

【最後に】
・できる小さなことから始め、着実な歩みの中で、『入会して楽しい』を実感してもらい信頼を勝ち得ることが大
  切。
・クラブを立ち上げる時期も大変だが、設立後は、会費をいただいている会員に対して『責任』『信用』を伴うだ
  けに危機意識をもって信用を得られるよう、緻密なPLANのもと、DO→SEEの繰り返しの努力し続けなければ
  ならない。
・スタッフ側も『楽しむ』気持ちが無ければ続かないし、会員もスタッフも増やせない。

「設立前のサークル活動では7人でしていたビーチボールの試合が2コートでも余る盛況となった。こんな姿があちこちで見られ、会員さんの楽しむ姿、笑顔が見られるのがうれしい。だから、ついつい日々の活動場所に足が向きます。」
(中井洋夫    綾野ゆうゆうクラブマネジャー)


  

関連PDF 綾野ゆうゆうクラブ設立までの詳細(PDF)  [ PDF : 6KB ]