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総合型地域スポーツクラブに関するお知らせ

総合型クラブ2007/01/22

メルマガ(第16号)連携ニュース「総合型クラブ設立・運営のリスクマネジメント(その12)」

※本ニュースは本日配信の「総合型地域スポーツクラブ公式メールマガジン第16号」と連携した内容となっております。
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総合型クラブ設立・運営のリスクマネジメント(その12)  クラブの責任
Q;スポーツ指導を行っているクラブとして、注意すべき事項について教えてください。
A;クラブは、スポーツ指導やイベントを行う場合、指導者と同様に、クラブとして最善の注意を払うことが必要となります。それは現場でのマネジメントも含んだ「安全配慮義務」が求められます。
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  スポーツ指導やイベントを行う場合、クラブも主催・管理者として、事故や怪我がないように参加者に対して安全配慮義務を負うことになります。まず、場所や時間帯が適切であったかなどが考えられます。狭いグラウンドや体育館に多くの参加者があふれている状態は危険ですし、真夏の暑い時間帯に体力を消耗するスポーツをすることにも注意が必要です。クラブは、参加者に事故や怪我がないように最善の注意を払った計画を立案することが求められます。
  指導者の人員計画はどうでしょうか。例えば30人の参加者に対して1人の指導者しかいない場合、安全配慮義務を果たしていないと考えられるでしょう。クラブは、絶えず参加者に目が届くように指導者を配置しなければなりません。「指導者を増やすと経費がかかる」という理由は通用しません。適宜、最適な人員配置をすることが必要です。

  実際に事故や怪我が起こってしまった場合、クラブは、適切に事故や怪我の対応をしなければなりません。指導者の中に救急処置のできる人員を配置しておいたか、救急箱等は常備されていたか、正しい処置の知識を指導者が持っていたかなど、クラブとして考えなければなりません。実際に、怪我をした後の処置・対応が悪く、悪化した怪我に対して責任を問われた事件もあります。
  できればお医者さんや救急処置のできる人を常に準備させておくことが望まれますが、できない場合は、速やかに、また休日でも連絡の取れる病院を確保しておく必要があります。そして現場での緊急体制も日ごろから決めておくことが重要です。誰が救急処置をするのか、病院に連絡するのは誰か、他の参加者への対応はどうするかなど、事故や怪我が起こったときに現場で混乱が起きないように緊急時のマニュアル作りをする必要もあります。

  当日の天候、グラウンドなど場所の状況、参加者の状態などに十分配慮して、時には、決行・中止の判断もしなければなりません。天候悪化などのために予備日を設けることも屋外でのスポーツ指導・イベント開催には必要なことになります。
  そして最後に、クラブとして保険に加入することも忘れてはいけません。スポーツ中の事故は、下手をすればかなり大きな事故になります。クラブ側に非がある場合、その責任を問われることになります。保険には様々な種類がありますが、スポーツ関係の保険に関してはそう多くはないようです。保険内容を検討して、自分達の活動にあった保険に加入するようにしましょう。また、必ずその保険内容を事前に参加者に分かるように説明することを忘れないでください。加入した保険が、起こった事故や怪我に適用されない、また補償額が足りない場合などは、トラブルの原因となります。保険加入はクラブを守ることと同時に被害者の救済にもなります。

                                                                                                          (行政書士  谷塚  哲)