本文へスキップします。

総合型地域スポーツクラブに関するお知らせ

総合型クラブ2006/11/20

メルマガ(第14号)連携ニュース「総合型クラブの強みを生かした指定管理者を考える」

※本ニュースは本日配信の「総合型地域スポーツクラブ公式メールマガジン第14号」と連携した内容となっております。
  メールマガジン配信希望の方は、下記関連リンク「メルマガ登録ページ」より登録いただけます。
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

総合型クラブの強みを生かした指定管理者を考える

  「総合型地域スポーツクラブ(以下総合型クラブ)はあらゆる可能性を秘めている」という言葉をよく耳にします。実際、地域住民が自主的にスポーツ活動をプランニングし、自立した活動をする訳ですから、住民の社会参加が増加し、地域の活性化につながるなど、あらゆる可能性を秘めていることは関わっておられる皆様が実感されていることと思います。また、総合型クラブの関係者や会員の中に、その地域の様々な分野での人材が存在していることは総合型クラブには大きな強みとなることもあります。

  そのような中、「指定管理者制度」という新たな仕組みが打ち出され、多くの市町村もこのような総合型クラブの可能性に注目していることも事実です。その結果、「特例」で指定管理者を総合型クラブに指名してしまうという出来事が多々見られるようになりました。
  行政の方とお話していると、市区町村の公共施設については、「指定管理者として民間企業が選ばれた場合、今まで利用していた既存団体の利用がしにくくなる」「住民の血税で建てられたものなので、地域住民が受託してくれるとありがたい」(本来は指定管理者制度の本質からすると非常にまずい)といった言葉を聞く機会があります。個人的な考えとして述べられているものですが、実際このような心配をされている行政が多いようです。また、行政が「多くの住民が公平に利用できるように制定している利用条例を厳守してもらえなくなる」「今まで、少ない予算でかなり経費を抑えてきているので、指定管理者制度を利用しても逆に受託先に迷惑がかかる」といったこともよく耳にします。その中で、総合型クラブは一筋の「光」(中には「うちのクラブは無理だ」というところもあるでしょうが、一般的にクラブの理想としてとらえると。)になっていることも事実ではないでしょうか。

  一方、指定管理者制度を理解している総合型クラブの方とお話していると、「指定管理者制度で、活動拠点やクラブハウスを確保したい」「既存団体との融合を図るために指定管理者になりたい」「活動を広げる意味でも優先利用できる施設を確保したい」といった言葉を聞くことがあります。もちろん、「もしも、赤字を出したらどうするか」「行政の期待に応えられなかったらどうするか」「管理に追われ、クラブ本来の目的を果たせないのでは」といった指定管理者になることに抵抗を感じている総合型クラブも中にはあります。どちらが良いといった論議はさておきますが、ここまでの話を客観的にまとめてみると、行政と総合型クラブはある種の「相思相愛」関係になりやすいように思います。
  一例として現場サイドの意見等紹介し、総合型クラブの強みを感じていただけるように論じてきましたが、もし指定管理者に応募する意向がある場合、クラブのミッションやビジョンを再度良く共通理解し、その上で、クラブの活動と指定管理者の「両立」という論議をクラブ内で充分に行うことをお勧めします。現実的に施設管理にスタッフの仕事の比重が大きく割かれるため、総合型クラブの本質であるクラブ活動がおろそかになることが、多々見られます。このような場合、指定管理者としてふさわしいかどうかという論議が出されても仕方がありませんし、従来の総合型クラブが果たす役割がなされないことにもつながります。

  クラブ単独で指定管理者になるのが難しい状況である場合、企業や公共団体とコンソーシアムを組んで、お互い無いものを補い合う方法などや、お互いのリスクをきちんと分け合うLLP(Limited Liability Partnership)制度といった、より現実的な道もあるのではないでしょうか。施設管理するためのノウハウを勉強して行く必要もありますし、そのような「壁」を打破る体力をクラブが持っていることが、重要ではないでしょうか。
(小松 史嗣   みやぎ広域スポーツセンター)