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総合型地域スポーツクラブに関するお知らせ

総合型クラブ2006/09/20

メルマガ(第12号)連携ニュース「総合型クラブ設立・運営のリスクマネジメント(その9)」

※本ニュースは本日配信の「総合型地域スポーツクラブ公式メールマガジン第12号」と連携した内容となっております。
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総合型クラブ設立・運営のリスクマネジメント(その9)  賃貸借契約

Q;クラブの事務所を借りたいと思います。契約に際して注意することを教えて下さい。
    クラブ運営を進めていく中で、専用の事務所を持つことは重要なことです。トラブルにならないように事務所を借りるために、いくつかの注意点があります。特に賃貸の契約内容等についてよく確認しましょう。
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  現状のクラブ事情を考えると、代表者の方やクラブ員の方の部屋を事務所として利用していることもしばしば見受けられます。その際、まず注意しなければいけないことは、その部屋が賃貸の場合、その部屋の契約書を再度確認して下さい。契約書の中には、その部屋の利用目的が記載されています。住むために借りている場合は住居専用となっています。この場合、大家さんは、住むことを前提にその部屋を貸すわけですから、その部屋を事務所(事業用)として使用していると、厳密に言えば契約書の内容に違反していると解されてしまいます。大抵の大家さんは、建物の住人以外の出入りをして欲しくない、建物の痛み具合などの理由から、住居専用で貸していることが多いようです。ですから契約書の内容と違う使用方法は契約解除条件の一つとされてしまうことも考えられます。賃貸物件を事務所としているクラブは、再度契約書を確認してみましょう。

  次に、新たに事務所を借りる場合の注意点です。事務所を借りる契約には「賃貸借契約」が締結されます。不動産事業者は、宅地建物取引業法でその契約の重要事項を借主に必ず説明しなければなりません。なにかその物件に後ろめたいことがあると、そのことを説明したがらない不動産事業者もいます。ですから物件の内容や契約の内容をきちんと説明しないような不動産事業者との契約は避けましょう。重要なのは、「納得いくまで内容を確認し理解すること」です。そのためには契約の内容や重要事項に関しての書類を事前にもらい、その内容を全て読み、分からないところは契約の前に確認しておきましょう。
  ちなみに法人化されていないクラブは、クラブが権利の主体となって賃貸借契約を締結することが難しいです。あくまでも代表者などの個人名義で契約を締結することになります。この場合、契約の責任は全て個人にかかってくることになります。一方、法人化しているクラブは当然、法人名義で賃貸借契約を締結することができます。

  次に新しい賃貸借契約の形に「定期建物賃貸借契約」という契約があります。これは契約書に記載された契約満了日以降は契約の更新ができない契約となっています。今までの賃貸借契約は、契約期間が決まっていても、大家さんにとって正当な理由(建て直して自分達が住む、とても古いため取り壊すなど)がなければ、契約満了日を持って大家さんから契約の更新をしないことを借主に言うことができませんでした。これは家というものが人間にとって無くてはならないものという考えから法律で借主を保護していたわけです。今までの賃貸借契約の更新は借主のほうが立場は強かったわけです。
  ですがこの定期建物賃貸借契約は、定められた契約期間以降の更新はできないという新しい内容の契約となります。大家さんにとっては、決められた契約期間だけ部屋を貸せる、部屋の明け渡しの際にトラブルがないなどの点がメリットです。一方、借主にとっては、通常の賃貸借契約であれば、契約を更新することができる権利があったのですが、定期建物賃貸借契約ではその権利がありません。なので、賃料が他と比べて安いという物件が多いようです。
  定期建物賃貸借契約の際、不動産事業者にはその旨の表記・説明が必要となります。物件案内に「定期建物賃貸借」と書いてあれば、この建物は契約更新ができないと覚えておいてください。そして、契約更新ができないことでのメリット(賃料が安い)、デメリット(期間が終了すればまた事務所を探さなければならない、費用がかかる)を考えて契約するかどうかを考えてください。                  
  これからこのような新しい賃貸借契約も増えてきます。借りたのはいいが、トラブル続きだ、最初の話と違う、といったことのない様に、必ずクラブとして納得した形で契約を交わしてください。
(行政書士  谷塚  哲)