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総合型地域スポーツクラブに関するお知らせ

総合型クラブ2006/07/20

メルマガ(第10号)連携ニュース「指定管理者制度・クラブの現状と課題(中)~指定管理者制度への参入~」

※本ニュースは本日配信の「総合型地域スポーツクラブ公式メールマガジン第10号」と連携した内容となっております。
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指定管理者制度・クラブの現状と課題 (中)  ~指定管理者制度への参入~

●相手を知って研究する
  指定管理者制度が公募になった場合、そのほとんどが「書類審査→プレゼンテーション→指定管理業者の選定」の順になります。提出書類は、主に、申請書、団体概要、事業・収支計画、提案書などです。これを勝ち抜くためには相手を良く知っておくことも必要です。ポイントは、「自治体として何を期待するか?」をクラブ側が把握することです。都道府県や市区町村には、自治体としてのスポーツビジョンがあります。施設には施設ごとに設置目的もあります。独自のスポーツ憲章などもあるかもしれません。そういった、自治体特有のスポーツビジョンなどを把握した上で応募することが勝つための要素となります。あくまでも指定するのは自治体です。私たちの「ここがすごい」というところだけをアピールしても評価としてはそれほど高くありません。
  また、指定管理者制度を導入する自治体は、その決定をしたビジョンがあるはずです。そのビジョンとプレゼンテーションなどが全くずれていたら、「自治体の望んでいることにはならない=指定管理事業者にはなれない」のです。そしてそのビジョンと十分照らし合わせながら、自分達の事業計画・提案などの内容を自治体にアピールすることが必要となります。
  まずは相手を知ることからはじめましょう。

●プレゼンテーションのポイント
  「自治体が施設の運営を任せたいと思うプレゼンテーションができるか」というところも書類内容と同じく重要になってきます。つまり、内容もさることながら「プレゼンテーションに勝つ」資料作りも重要になってくるでしょう。資料説明以外にPCを使うなど映像でプレゼンテーションする機会があれば、映像により具体化されたものを提示できればなおいいでしょう。相手の印象をよくするノウハウや工夫がプレゼンテーションには求められます。
  また、ほとんどの場合、専門委員会を作って選定します。選定委員は、スポーツ施設課・都市公園課の課長・部長、(近隣)大学の教授、地元の代表者などです。選定委員の大学教授などの専門家が、「どのような専門であるか?」もポイントになるかもしれません。スポーツ社会学の専門であれば「スポーツと社会性」との関連を、都市公園関係の専門家であれば「いかに都市公園としての役割を果たせるか」などの面を明確にできればなおよいでしょう。

●実現可能な内容であること
  そして、いくらプレゼンテーションの方法や事前準備が良くても、内容がしっかりしていなければなりません。一つ問題を提言するとすれば、事業計画・提案書およびプレゼンテーションの内容が本当に「実現可能」であるかです。少しでも良く見せようとするので、内容がオーバーになりがちです。しかし、実現不可能なものを書いたり話したりしてはいけません。運営しているうちに事業計画・提案書やプレゼンテーションで説明した通りにできなくなってしまうことがないように、応募側にも十分な検討と実現可能な内容・スケジュールを立てることが求められます。また、自治体側も、「この内容がその団体として実現可能なのか?」という部分を見極める目を持っていただきたいと思います。
  指定管理者制度の選考書類が「書いたもの勝ち」「選定されるためだけの実現不可能な内容」になってしまわないためにも、事業内容の実現可能性が重要な判断基準として求められます。

●指定管理事業者に選ばれた場合のポイント
  次は視点を変えて、書類審査とプレゼンテーションに勝ち残り、議会で承諾されて、指定管理者となった時のポイントです。
  指定管理者となったら自治体と協定書を締結します。協定書はいわば契約書と同じ様なものですが、厳密に言うと契約書ではないそうです。難しい説明はさておき、協定書の内容は必ず確認してください。そして分からないところ、できないところは、きちんと自治体と話し合ってください。協定書を締結した後で、「実はできません」ということは避けましょう。必ず事前に疑義のあるところは解決してください。ですからクラブにも自治体の人と対等に話せる知識を持った人の確保も今後必要になってきます。
  私としては、指定管理者制度の募集の段階で協定書の内容を見せてもらいたいのが本音です。せっかく指定管理者となり、「さあこれからだ」というところで、「実はこんなにも不利な内容で協定書を結ばなければならないのか」ということを避けたいからです。今後は募集段階で開示をしてもらえるように自治体には求めていきたいと考えています。
  厳しいようですが、これらのことを全てクラブができて初めて指定管理者制度に参入してよかったと思えるのではないでしょうか。

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スポーツ法務事務所  行政書士  谷塚  哲