本文へスキップします。

総合型地域スポーツクラブに関するお知らせ

総合型クラブ2006/06/30

メルマガ(第09号)連携ニュース「世界のスポーツ&クラブライフ」

※本ニュースは本日配信の「総合型地域スポーツクラブ公式メールマガジン第09号」と連携した内容となっております。
  メールマガジン配信希望の方は、下記関連リンク「メルマガ登録ページ」より登録いただけます。
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

世界のスポーツ&クラブライフ(ドイツ特別編)~サッカーW杯観戦記~

  今年は4年に一度の冬季トリノオリンピック、サッカーW杯ドイツ大会と世界レベルのビックイベントが目白押しです。スポーツ好きな人はもちろんのこと、普段スポーツに縁のない人でさえ、白熱したゲームに釘付けとなり、大会が終わるまでは寝不足気味という人も多いことでしょう。
  今回のワールドカップでは世界各国から110万人を超える人々が開催地ドイツを訪れると言われており、日本からも多くのサポーターが現地入りしました。私もケルンに一週間ほど滞在し、日本対オーストラリア戦を含む3試合を観戦する機会に恵まれました。5万人収容のスタジアムが隙間なくサポーターで埋め尽くされ、それぞれ自国カラーのウェアを身にまとい、一丸となって応援する様は本当に圧巻でした。民族衣装に身を包んだグループや顔にペインティングしている年配のご夫婦や家族連れなど微笑ましい光景もあれば、一見フーリガンと間違えてしまいそうな過激なファッションの集団も少なくありませんでした。
  国によってプレースタイルに違いがあるように、応援の仕方も様々です。オーストラリアの応援が「オレ、オレ、オージー」とワンパターンであったのに対し、日本の応援歌はとてもバラエティに富んでおり、戦況に応じて使い分けていることに感心しました。
  ポルトガルとアンゴラの試合は、7・8割はポルトガルのサポーターでしたが、アンゴラのひたむきなプレーに、場内がどんどんアンゴラの応援に変わっていく様はとても興味深いものでした。一緒に観戦していたドイツ人に話を聞いてみると、前評判の高いポルトガルの試合運びに精彩がなかったことやポルトガルの植民地だったアンゴラに対する判官贔屓の気持ちを抱く人が多かったのではないかということでした。
  また、ドイツ対ポーランドは、試合そのものはドイツが押し気味に進めていましたが、応援は一進一退、熾烈な攻防を繰り広げていました。おそらく両国の歴史的な問題とポーランド系ドイツ代表のクローゼ、ポドルスキー両選手に対する複雑な思いが背景にあったのではないでしょうか。
  
  以上、サッカーを見に行ったというよりは、観客を見に行ったという方が正しいかも知れませんが、各国から駆けつけた多くのサポーターが自国の勝利を信じて我が事のように情熱を傾けて応援する姿に感動したことは言うまでもありません。
  いずれにせよ、サッカー大国と言われる強豪国に歴史の浅い日本が打ち勝つにはまだまだ時間がかかるのかも知れませんが、Jリーグの百年構想にある通り、わが国の地域スポーツの基盤を固めつつ、じっくりと日本代表の成長を見守っていきたいものです。
(黒須 充  福島大学教授)