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総合型地域スポーツクラブに関するお知らせ

総合型クラブ2005/12/20

メルマガ(第03号)連携ニュース「総合型クラブ設立・運営のリスクマネジメント(その2)」

※本ニュースは本日配信の「総合型地域スポーツクラブ公式メールマガジン第03号」と連携した内容となっております。
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総合型クラブ設立・運営のリスクマネジメント(その2)  事故とクラブの責任

Q;運動中に事故が起こったとき、クラブ側の責任はどうなりますか?
  スポーツを行う上で事故や怪我はやむを得ない出来事です。ですが事故や怪我を怖がっていたら、スポーツの面白さも半減してしまいます。事故や怪我をなるべく起こさないためにもクラブとスポーツに参加する人々の意識が重要になります。
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  もともとスポーツには「リスク」があります。体に負担をかけること、勝利のために相手と競り合うこと、といった場合に考えられる事故や怪我のことです。通常の社会では、故意に相手を傷つけた場合には社会的責任を負うことになります。ですがスポーツの世界では、スポーツ固有のルールに則った上で相手を傷つけてしまった場合には責任を負わないということがあります。それはもともとスポーツに参加する者は、このスポーツの「リスク」を承諾したものと判断されているからです。

  例えばサッカーの試合中、正当なスライディングで相手に怪我をさせてしまった場合でも法律的に責任はないと判断されます。これはスライディングがボール奪うためのテクニックでありサッカー競技のなかで正当なプレーだからです。このようなプレーを禁止することはスポーツの楽しさを半減させてしまいます。また事故や怪我を回避する技術を身につけることもスポーツの重要な要素となります。したがって個々のスポーツのルール則った上で、相手を傷つけてしまっても法律的に責任を問われることが無いのです。逆にルールを守らない行為により相手を傷つけてしまった場合は責任を問われることになります。

  では、実際に事故が起こった場合、クラブ(指導者)としてはどういう責任が生じるのでしょうか?  クラブ(指導者)にはスポーツの指導をするにあたり、安全配慮義務があります。これは簡単に言うと、参加するクラブの会員が事故や怪我なく安全にスポーツをするために様々なことにクラブは注意しなければならないという義務のことです。その注意が足りないと判断された場合、事故や怪我の責任はクラブ側にも及ぶことになります。また指導対象年齢が低くなればなるほど、この安全配慮義務に加えて保護監督義務も生じてきます。クラブ(指導者)は、子供たちがクラブの活動に参加している間は、両親にかわって保護、監督する義務が生じることになります。
  
  責任の度合いは、事故当時の状況で変わってきますが、クラブ(指導者)側は安全配慮義務(又は保護監督義務)を果たし、防ぎようがなかった状況での事故や怪我と判断されない限り、その責任を追及されてしまいます。これは先にあげた安全配慮義務(又は保護監督義務)に違反したと考えられるからです。これは指導者がクラブの専属であろうが、ボランティアであろうが事故が起こってしまった場合は、その責任はクラブにも追及されます。
  少し厳しいお話ですが、クラブとしてはスポーツ指導を行う際には、十分な指導内容の検討と施設・用具の点検、天候や周りの状況、さらに参加される方々の健康状態等、十分に注意して指導内容の決定をして下さい。

(行政書士  谷塚  哲)