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2008/06/20
メルマガ(第33号)連携ニュース 練馬区「Cherry-Blossom Festa 2008」 予算ゼロ、クラブのネットワークで実現させたイベント
※本ニュースは本日配信の「総合型地域スポーツクラブ公式メールマガジン第33号」と連携した内容となっております。 メールマガジン配信希望の方は、下記関連リンク「メルマガ登録ページ」より登録いただけます。::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::●最初は2人の発案、3年間温めていた構想 練馬区は6つの地区に1つずつ総合型地域スポーツクラブができている。6つのクラブ全体を総称して「ねりまSSC」と呼ぶ。ねりまSSCのひとつ「SSC光が丘」理事の大熊さんと音楽活動をしている掘さんは、光が丘の地区祭で出会った。2人で「30・40代中心で地域を大いに盛り上げるイベントをしたい」と意気投合し、1枚の企画書を書いた。音楽、アート、スポーツ、アニメ、外国人などジャンルや立場を超えたクロスオーバーな交流を軸にしたイベントの構想である。「プロセスと未来も視野に入れ、知恵を持ち寄って考えながら、試行錯誤しながら、新しい地域社会をつくる」ことにイベントの趣旨があった。 しかし、熱い想いはあっても、なかなか実行に移せないまま月日は3年過ぎた。2008年は練馬区独立60周年、ねりまSSC設立5周年の節目の年である。「SSCの認知度を上げたい」、そして「この機会を逃したらこのイベントの企画は永遠に実現できなくなる」と思い立ち、2007年11月に実行を決意。「音楽アート&スポーツの祭典 ねりま光が丘 Cherry-Blossom Festa 2008」開催当日の今年3月末まで、残り4か月を切るスタートだった。 まず舞台となる場所の確保に走った。交通の便が良い東京都立光が丘公園が有力候補で、ちょうど春にイベントをやっていないこともあった。しかし、場所の予約ができたのは2007年12月末。公園管理関係から「前例がない」という理由でなかなか許可がおりなかった。公的な後援を取り付け周りを固めていくうちに、強い意志が伝わったらしく協力姿勢に変わっていった。大熊さんはイベント運営の経験もなく、忙しく働きながらの活動であったが、2008年1月末には「ここまで来たら止められない」と思い進んでいった。●ネットワークをフルに活かした準備・実施体制 ねりまSSCで月1回開催されているクラブマネジャー会議のメンバーがそのまま実行委員のメンバーとなった。各クラブ運営責任者を2名ずつ出し、各地区でポスター掲示、声掛けなどの準備活動を行った。音楽方面は掘さんが担当、バンド活動の人脈で出演アーティストや機材提供会社も確保できた。 企業の協賛獲得活動は、大熊さんの仕事でおつきあいのある広告代理店に成功報酬方式(協賛金が取れたらバックする)で関わってもらい、KORGや銀座スポーツクリニック、カンロなどの協賛をいただいた。一方、大熊さん独自でCSR(企業の社会的責任)の観点から30~40社ほど協賛依頼を郵送で行った。唯一、日本マクドナルドだけが1500枚の自社商品クーポンを贈ってくれた。ほかにも、練馬区体育協会からの紹介で、大塚製薬も協賛してくれた。 「練馬区独立60周年記念」という冠をイベントにつけたが、行政からの補助金など資金的援助は一切ない。ねりまSSCの理念は「自立と連携」。個人の自立、組織の自立、個人と個人の連携、組織と組織の連携が成り立って、「自分たちのやりたいことを実現していく」という理念があった。資金援助はないのに「練馬区」の冠をつけたのは、お世話になった行政へのお礼、そして先々良好な関係を続けていきたいという意図もあった。 総合型クラブで培われた人材とネットワークがこのイベントでフルに発揮された。日頃から地域活動に励んでいる年配の方にゴミやトイレの問題を助けてもらったり、地元にある日本大学芸術学部、武蔵大学の学生が先生を通じてボランティアで参加してくれたりした。地元の団体や企業からは協賛品提供などの便宜を図ってもらった。チラシ3万枚は協賛企業に無料で作成してもらい周辺の世帯に配布した。●いろいろ楽しめる5つの部門構成と当日の運営、収支 イベント当日、ねりまSSC関係者から60~70人のボランティアが集まった。イベントの構成は「音楽アート・ステージ」「スポーツ・ステージ」「ビデオ映像&PR展・ステージ」「模擬店&フリーマーケット・ステージ」「アニメ&コスプレ・ステージ」(場所特定なし)の5部門があり、1日中、並行しながらいろいろと楽しめるように工夫を凝らした。 「音楽アート・ステージ」は、プロ・アマ問わずアーティストの生演奏や大道芸がメインだが、ねりまSSCからは可愛らしいキッズチアやヒップホップなどダンス系のプログラムが披露された。「ビデオ映像ステージ」では総合型クラブの映像を4本続けて流した。「模擬店」はイベントの主要な収入源であり、1店3万円の参加料で17店でた。ねりまSSCも各クラブで出店した。そのほか近所の酒屋さんによる販売では売上げからマージンを取る方式にした。 「スポーツ・ステージ」がねりまSSCの担当であり、PR活動の場である。ストラックアウト、ダーツ、輪投げ、ダルマ落とし、竹馬、縄跳び、カード拾い、ピンボーリング、キックターゲット、ダグレスリング、ボクシング体操、ターゲットバードゴルフなど14種類のうち5つを体験すれば景品がもらえる。幼児から高齢者、障がい者も参加できることに配慮した。参加料は1人200円。イベント参加層と同様、幼児から小学生の子どもやファミリー層が中心で700~800人参加したが、事前に参加人数が読めず予算計上しにくかった。 支出はできるだけ抑えた。最も費用がかかったのは会場設営(搬入込み)であるが、公園使用料が無料なのは助かった。夜間照明を準備したが、日が落ちたら参加者が減ってしまったなど予想外の展開もあった。もっと準備期間があればできたこと、駐車のやりくりや会場レイアウト他、反省会では予想通り多くの問題・課題が出されたが、ほとんどが次回に改善できることであった。約100万円の予算規模で、若干の赤字は次回に穴埋めできる程度である。●次回のPR・協賛活動に活用できる大きな実績 天気の良さとタイミングがぴったり合った満開の桜の効果もあり、約5万人の集客があった。ケーブルテレビJ:COM東京の取材によりイベントの模様が5分番組にまとめられ、1日3回、1週間にわたって放映された。イベントでのPR活動の成果はすぐには表れないが、イベントの実績や記録は、翌年のPR・協賛活動に十分活用できる。 このイベントがきっかけになり、NPO法人として東京商工会議所の会員になった。東京商工会議所のHPやメールマガジンが広報活動に使えた。地元ミニコミ誌Kacceや、地元不動産屋すまいる情報光が丘さんの広報誌に3,4度掲載してもらったり、都営大江戸線の駅にポスターを掲示したりもした。また、朝日新聞TownVoiceや読売新聞ぴーえぬにも掲載してもらった。 今回のイベントを開催したことで、新たな領域へのPRや協力関係が確実に広がった。イベントのテーマ「出会いから始まる 無限大∞ “夢と勇気があれば”」を自ら実践。来年は4月上旬に開催を予定しており、今年の教訓を活かして早めに着手することになる。【事例のポイント】◆たった2人の企画から、5万人規模のイベントを実現。「自立と連携」の理念、「実現する」意志の力があった。◆人を集めるのではなく人が集まっているところを狙って、イベントの企画・開催をする。ここでは「お花見」。◆クラブで培われた人材とネットワークにより、機動力のある柔軟な運営体制がイベントを支えた。◆自治体の節目など、地域全体にかかわる冠をイベントにつけたのも、効果的な広報・集客につながった。◆イベントを契機に、NPO法人として商工会議所の会員になるなど、新たな領域への広報や協力関係ができた。【イベント・地域関連情報】▼イベント概要「練馬区独立60周年記念協賛事業~ねりまSSC設立5周年記念~ 「音楽アート&スポーツの祭典 ねりま光が丘 Cherry-Blossom Festa 2008」開催日;平成20年3月29日(土)9:00~20:00主催;ねりま光が丘地域力活性化プロジェクト実行委員会後援;練馬区・練馬区教育委員会、練馬区体育協会、練馬区体育指導委員会、NPO法人東京オリンピック招致委員会、東京商工会議所練馬支部、東京都建設局東部公園緑地事務所
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