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総合型地域スポーツクラブに関するお知らせ

総合型クラブ2006/05/22

メルマガ(第08号)連携ニュース「指定クラブ訪問記」

※本ニュースは本日配信の「総合型地域スポーツクラブ公式メールマガジン第08号」と連携した内容となっております。
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指定クラブ訪問記
~坂東市猿島地区体育協会総合型クラブ設立準備委員会(茨城県)~

  茨城県坂東市。昨年,岩井市と猿島町(「さしま」と読みます)が合併してできたこの町にひとつの育成指定クラブがあります。「坂東市猿島地区体育協会総合型クラブ設立準備委員会」。まだクラブ名も決まっていませんが,クラブ設立の歩みは着実に進んでいます。

  このクラブは,名前の通り旧猿島町の体育協会が母体となっています。猿島町体育協会では、ひとりでも多くの住民にスポーツの楽しさを知ってもらおうと,スポーツレクリエーション普及部というセクションを中心に加盟団体が協力して様々なイベントや教室を行ってきました。まさに総合型地域スポーツクラブの芽が育っていたともいえます。
  しかしながら,そんな猿島町体育協会でも総合型地域スポーツクラブの話があったときには,その必要性や設立・運営の負担から,加盟団体より多くの疑問や反対意見が出たそうです。
  そのような中でも,当時猿島町体育協会の会長を勤められ現在クラブマネジャーの諏訪氏は,町の将来やスポーツの楽しさをより多くの人たちに伝えるためにも総合型クラブが必要だと思い,約3年もの時間をかけて,勉強会や視察を繰り返しながら,ゆっくりとクラブ育成の雰囲気作りと仲間さがしをしてきました。地道な活動でしたが,今では旧猿島町体育協会のメンバーにとどまらず,絵本の読み聞かせを地域で取り組まれてきた方などまったくスポーツに縁が無かった人もクラブのスタッフになっています。

  また,クラブ設立に向けた事業はスポーツ振興の枠をこえた反響を生んでいます。それは昨年実施したウォーキングイベントのことです。このイベントではウォーキングを楽しむ事に加え,地元農家の協力を得て,朝もぎトマトのまるかじり体験もしました。参加者にとっては,身体を動かすだけではなく,この体験を通じて今まで知り合う機会がなかった農家の人たちとの交流や地元の産業を知ることにもなりました。この事業が人を結びつけ,地元のよさを再発見するきっかけになったのです。このイベントは今年も「さしまウォーク」として実施することになっています。

  このような取り組みから,地域独自のペースでクラブづくりを進める大切さと,クラブが地域の様々なものを「つなげる」可能性を持っていることを再確認しました。クラブを通じて,スポーツと住民,地域の大人と子ども,地域住民同士が「つながる」,これが総合型地域スポーツクラブの原点だと思います。
  諏訪氏は「クラブを通じて住民と住民がつながることが大切じゃないかな。課題ばかりだけど,頑張っていきますよ」と笑いながらおっしゃっていました。そして,スタッフの方もその後ろでほほえんでいたのが非常に印象的でした。

  ちなみに,この4月に坂東市体育協会が発足しました。新しい体育協会の中には総合型地域スポーツクラブというセクションが位置づけられています。諏訪さんは「まだまだ体育協会全体から十分理解を得ているとはいえないけれど,将来は,坂東市内にいくつものクラブができて,ひとりでも多くの人がスポーツを楽しめるようになればいいね。いろいろな人の協力が必要だから, まずは体育協会に入って,少しでもクラブのことを意識してもらえればいいんだよ。」とおっしゃっていました。
  地域の時間に合わせて,ゆっくりと着実にクラブは浸透してきています。

(報告:川邊保孝  茨城県クラブ育成アドバイザー)

昨年のウォーキングイベントの写真
クラブ事務局の外観と諏訪氏
クラブ事務局の内部の様子と事務スタッフの方