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2006/03/20
メルマガ(第06号)連携ニュース「世界のスポーツ&クラブライフ」
※本ニュースは本日配信の「総合型地域スポーツクラブ公式メールマガジン第06号」と連携した内容となっております。 メールマガジン配信希望の方は、下記関連リンク「メルマガ登録ページ」より登録いただけます。 :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: 世界のスポーツ&クラブライフ(アルゼンチン編) ~ストリート・サッカーが支えるサッカー王国~ アルゼンチンといえばサッカーを連想する人が多いかもしれない。首都ブエノスアイレスは人口1000万を超え、東京に匹敵する大都会である。そこには、日本代表の高原選手もかつて所属し、トヨタカップを制したこともあるボカジュニアをはじめ、10を超えるトップクラブがある。近郊のクラブも併せると約20近いサッカークラブが存在する。驚きなのが、その半数近くのクラブが3万人から7万人規模のスタジアムを有しているという事実である。まさしくサッカー王国といえよう。 さらに最近ではラグビーのナショナルチームも活躍している。アルゼンチンのクラブづくりに大きな影響を与えたのが、19世紀後半に鉄道の敷設事業等に関わったイギリス人たちである。彼らは祖国と同じようなサッカーやラグビーのクラブを作って、プレーを楽しんだ。南米であまり盛んではないラグビーが、アルゼンチンで人気があるのにはこうした背景があった。 またスポーツクラブの持つ雰囲気も非常にイギリス的であって、メンバーが比較的裕福な人ばかりで構成されているクラブもあるという。ブエノスアイレスで2年間JICAの「日系社会ボランティア」として、地元の野球クラブのコーチとして働いた立命館大生の熊倉克敏さんは「スポーツ=中上流階級の娯楽という傾向がある」と語っていた。彼の話によると、地域のクラブには最近人気のバスケットなど様々な種目があるが、テニスなどのクラブは明らかに入れる人の層が限定されているという。このように貧富の差を映し出しているスポーツの状況というものが存在している。 とはいえ国民的スポーツであるサッカーは違った意味合いを持っている。筆者はボカジュニアのホームグラウンドを訪ねてみた。港湾労働者の町として発展したボカ地区はタンゴの発祥の地としても知られ、昔から労働者文化発信の中心であった。 高くそびえ立つボカジュニアのスタジアムを一歩外に出てみると、スラム街さながらの町並みが広がっていた。スタジアムの周りにはサブ練習場もなく、世界的なトップクラブが通常持っている贅沢な施設というものは何も見あたらない。アスファルトの路地で子どもたちがストリート・サッカーに熱中している姿が印象的であった。彼らは、すり切れたようなボロボロのボールを使っていた。アルゼンチンの英雄であるマラドーナも、こうしたストリート・サッカーから階段を上り詰めていったという。ボカの子どもたちの熱気から、サッカーがアルゼンチンの国民に格別に愛されている理由を感じ取ることができた。 (海老島 均 滋賀県クラブ育成アドバイザー)
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