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熱射病が疑われる場合の身体冷却法




現場での身体冷却法としては氷水に全身を浸して冷却する方法「氷水浴/冷水浴法」が最も効果的とされています。マラソンレースの救護所などでバスタブが準備でき、医療スタッフが対応可能な場合には、冷(氷)水浴法が推奨されます。

学校や一般のスポーツ現場では、水道につないだホースで全身に水をかけ続ける「水道水散布法」が、次に推奨されます。

それも困難な場合や学校現場などでは、エアコン(最強で)の利いた保健室に収容し、氷水の洗面器やバケツで濡らしたタオルをたくさん用意し、全身にのせて、次々に取り換えてください。扇風機も併用します。

また、氷やアイスパックなどを頚、腋の下、脚の付け根など太い血管に当てて追加的に冷やすのもよいでしょう。

現場での体温測定としては、「直腸温」が唯一信頼できる測定です。熱射病の診断(>40°C)にも、身体冷却中のモニタリングにも有用であり、直腸温が約39°Cとなるまで冷却します。

ただし、直腸温の測定ができない場合でも、熱射病が疑われる場合には身体冷却を躊躇すべきではなく、その場合には「寒い」というまで冷却します。運動時の熱射病の救命は、いかに速く(約30分以内に)体温を40°C以下に下げることがで きるかにかかります。

現場で可能な方法を組み合わせて冷却を開始し、救急隊の到着を待ってください。