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ドーピングに関する薬の知識

1.かぜ薬(総合感冒薬・鼻炎薬)

総合感冒薬には禁止物質が含まれることが多い

●総合感冒薬には十分注意しましょう。禁止物質であるエフェドリンなどを含むことが多いからです。薬の外箱で成分をチェックしましょう。メチルエフェドリン、エフェドリン、プソイドエフェドリン、麻黄(マオウ)などは禁止成分です。

鼻炎の薬にも要注意

●総合感冒薬と同じく要注意です。禁止物質であるエフェドリンなどが含まれることが多く要注意です。鼻炎スプレーも成分をチェックする必要があります。
咳止めとして含まれているコデインは、禁止物質ではありません。

2.漢方薬

漢方薬にはたくさんの複雑な成分が含まれている

●漢方薬も「薬」です。その成分は大変複雑で、成分を調べることも困難です。漢方薬にも明らかに禁止物質を含むものがあり、麻黄(マオウ)、ホミカ(ストリキニーネを含む)はその代表です。
●漢方薬は生薬を使うので、名前が同じでも、製造会社、原料の産地、収穫の時期などで成分が違うことがあります。成分が全部記載されていないとチェックできない上に、成分の含有量が一定していないのが普通です。
●内容成分の正確な把握はできません。

3.サプリメント

サプリメントの内容確認はむずかしい

●サプリメントが薬と違うのは、製造、販売等の規制が厳しくない点です。
●蛋白同化薬などの禁止物質を含むサプリメントが出回っていることも事実です。
●表示されていない禁止物質が混入されている商品もあり、注意が必要です。
●サプリメントの服用は自己責任です。「これは安全」と保証することは大変難しいからです。

4.治療薬

治療に使った薬は記録に残すように

●医療機関を受診するときは「スポーツ競技者なので禁止物質を処方しないでほしい」ことを伝えましょう。
●治療を受けたときに使われた薬が分かるようにしてください。主治医には、「常備薬メモ欄」あるいは「お薬手帳」に治療記録を記載してもらいましょう。
●普段持っている治療薬は、必ず正確な薬物名、用法、用量のメモを持ち、説明書きがあれば、一緒に持っておきます。特に症状があるときだけ飲む薬(頓用薬)は、飲んだときに日付と用量をメモしておきます。
●薬については、アンチ・ドーピングのルールにくわしいスポーツドクターやスポーツファーマシスト*のチェックを受けるようにしてください。
*公益財団法人日本アンチ・ドーピング機構(JADA)が認定したドーピング防止に関する情報、知識を持つ薬剤師)

(1)処方薬

●処方したドクターに確認し、禁止物質を治療のために使用しなければならない場合はTUEを申請してください。
●わからない医薬品の場合は、必ず問い合わせてください。
●救急治療または急性症状の治療が必要な場合は禁止物質・禁止方法を使用した後に申請する遡及的TUE申請が認められます。

(2)市販薬

●市販の薬は、必ず外箱に「成分表示」がされていて、中に「説明書」が入っています。これらは捨てないで薬と一緒に持っていてください。
●わかならければ必ず問い合わせて確認してから服用してください。

5.薬で分からないことがあるときは

●薬品に対するお問い合わせは、都道府県薬剤師会に設置された薬剤師会アンチ・ドーピングホットライン、またはJADAにお問い合わせください。
●日本スポーツ協会では「アンチ・ドーピング使用可能薬リスト」を毎年作成しています。本リストの薬はいつでも安心して使用できます。詳しくは下記をご参照ください。
「アンチ・ドーピング使用可能薬リスト」の最新版はこちらのページから