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8.競技力向上とクラブ
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Q3 子どもの運動神経はどう発達しますか?
 よく「運動神経がいい」とか「私は運動音痴だから・・・」などという言葉を聞くことがありますが、運動神経の良し悪しは遺伝で決まるのではなく、環境(人的環境および物的環境)と運動への取り組み方によって伸び方が違ってくるのです。また運動神経は良く伸びる時期と停滞する時期があります。
 運動神経が良くなる時期は、大人になるまでに3回訪れます。第一期は直立歩行をするようになってから6歳くらいまでの幼児期です。人は歩くようになるまではひたすら一直線にそこに向かって発達しますが、幼児期になると、歩く・走る・投げる・捕る・転がる・跳ぶなど全ての運動の基本となる動きを並列的に身につけることができます。第2期は小学校中〜高学年くらいの時期で、この頃は神経系の発達にともない、コーディネーション能力が急激に伸びます。そして第3期は第二次性徴を終えた後の時期で、この頃には体もできあがり、ウェイトトレーニングなども可能になってより力強い運動をすることができるようになります。この運動神経が伸びる時期を“ゴールデンエイジ”とも言いますが、ゴールデンエイジをものにするためには、子どもたちを取り巻く環境が適切に整っている必要があります。
 運動神経が飛躍的に伸びるのは第二期で、「運動神経が良い」ことを象徴的に表す“すばしこさ”や“巧みさ”が身につき、目で見た運動をその場でやってみせるというようなことも起こりますが、これは第一期である幼児期(遅くとも小学校低学年まで)に基本的な動きができるようになっていることが前提になります。これは建物を建てるときの基礎と同様で、これがないところに何を積み上げてもうまくいくはずがありません。この“基本的な動き”というのは、以前であれば「鬼ごっこ」などの外遊びの中で自然と身についたような動きです。しかし、ご存知のように、現在の子どもたちは外遊びに必要な3つの間、つまり“時間”“空間”“仲間”が確保されていません。子どもたちの体力低下も歯止めがきかない状態です。みなさんの中にも、「子どもの走り方がぎこちない」「ボールがうまく投げられない」「転んだときに手が出ない」「すぐ座り込む」というような場面を見たり聞いたりしたことがある方が大勢いると思います。
 また、小さな頃からスポーツに親しむ経験のない子どもや競技志向の強いチームに溶け込めずスポーツが苦手だと思い込んでしまった子どもは、生涯にわたってスポーツをしようという意欲を持つことができにくいでしょう。これらは放置していい現象とは言えません。子どもの発達に合わせて、その時々に適切な動きを身につけられるようなスポーツ環境を整えることは、大人の役目ではないでしょうか。総合型クラブは、そのような環境を提供できる可能性も持っているのです。
(星 香里)
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