本文へスキップします。
問合せ・FAQ
ENGLISH
2009/02/20
メルマガ(第40号)連携ニュース メルマガ12月号 <特集> 「競技力」でクラブの魅力アップ NPO法人あさまハイランドスポーツクラブ
※本ニュースは本日配信の「総合型地域スポーツクラブ公式メールマガジン第40号」と連携した内容となっております。 メールマガジン配信希望の方は、下記関連リンク「メルマガ登録ページ」より登録いただけます。:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ■(4)NPO法人あさまハイランドスポーツクラブ ~50歳で世界チャンピオンをめざす●クラブの成り立ち・特徴 ~地場スポーツとしてのカーリング 昭和61(1986)年、長野冬季オリンピック招致準備室が長野市に設置され、冬季スポーツ5競技にカーリングを加え招致運動がスタートした。カーリング競技がオリンピックの正式種目として採用されることを夢に、同年10月、北海道から遅れること10年で長野県カーリング協会が設立された。「カーリング長野」の出発点である。 長野県は諏訪・岡谷・佐久地区でスケートの文化が既にあることから、カーリング競技についての理解が早かった。 オリンピックに長野から選手を送ろうと、佐久、軽井沢、御代田の有志が、平成7(1995)年、内地で初めて屋内カーリング専用リンク「カーリングホールみよた」を手作りで完成させた。空き倉庫を借用して100万円の予算で改造し、長野県カーリング協会が管理運営した。 運営資金は会員の年会費3.6万円で、佐久、軽井沢、御代田を中心に150名が加入し、その他、企業からの寄付金・リンク使用料等で年間予算1,500万円を確保した。 スポーツクラブとしては、平成17.18年度文部科学省委託事業並びに長野県体育協会の指導で「総合型地域スポーツクラブカーリングホールみよた」に名称を変更し、カーリング以外の多種目も事業に取り入れ活動を開始した。末永く自前のカーリング場を確保するためにも法人化の必要性があり、平成20年10月にNPO法人格を取得し、土地建物の購入の準備に入った。法人登記の際に、団体名称を「あさまハイランドスポーツクラブ」にした。 現在、小学生から60歳のシニア会員まで、約140名が9月から4月の8ヶ月間、9~23時の都合が良い時間に、「氷上のチェス」とも呼ばれるカーリングを楽しんでいる。●地域とのつながり・拡がり わが国におけるカーリングの歴史は、90年もある。文献「諏訪湖の研究」の中で、大正7(1918)年、「カーリングも又楽し」との記述があるので、長野県はカーリング日本発祥の地となる。 長野県では、平成10(1998)年の長野冬季オリンピックを契機に、長野市・佐久地方、諏訪地方、とくに軽井沢、御代田においてカーリングが普及した。 長野県でのカーリングの競技力向上は目を見張るものがある。様々なトライアルの結果、平成12年から日本選手権において4年連続「御代田ビクトリアス」が優勝、世界選手権に出場した。県協会発足14年目にして漸くカーリング長野の選手がトップアスリートとして認められたものである。 さらに、平成18年には「チームあさま」が優勝する。成果の裏付けとして企業からの活動資金支援も大きな役割を果たしている。 昨シーズン総合型クラブとなった「カーリングチームみよた」の会員である男子チーム(4人)が日本選手権に優勝した。また、先のパン・パシフィック選手権では中国チームに続き2位となり、世界選手権の出場権を獲得した。女子チームも日本選手権で2位となっている。平成16年に結成された車椅子カーリングでは、平成19年の車椅子世界選手権で5位に入る実力をつけた。このようにクラブでは世界の頂点を目指し、会員同士が日々、切磋琢磨している。今後は楽しいカーリング普及のためにも行政や学校関係者とも連携を深め、会員の夢を叶えさせていくことが課題と考えている。●競技力と生涯スポーツとのつながり ~50歳超まで続くカーリング人生 カーリングの魅力は、「ゲーム展開が人生の縮図」に似ているところにある。その多様性ゆえに、今までのスポーツ愛好者の概念から離れた人達にも愛されている。つまりライフワークスポーツの条件にあてはまっている。子どもからお年寄りまで、多世代において楽しめるスポーツである。 競技力向上と普及活動は車の両輪である。どちらが欠けても競技の進化はない。また、カーリングは人生経験を積まないとチャンピオンになれない息の長い競技である。トリノオリンピックの優勝チーム・カナダのスキップ(主将)ラスハワードさんは50歳、2007年世界選手権大会優勝チーム・カナダのスキップ、グレンハワード(ラスハワードさんの弟)は45歳だ。 これに倣えば、目標は「50歳で世界チャンピオン」ということになる。楽しみは50歳超まで続くカーリング人生である。たとえば、40歳から始めても、資質と努力によっては上を目指せるかもしれない。40代、50代でも参加でき、技術が伸ばせるというスポーツは希少である。北京オリンピックの馬術選手にもあったように、世界で最も高齢社会の我が国で、中高年スポーツの「希望の星」や「挑戦の機会」を増やす戦略があってもいい。 また、カーリングは顔を合わせた綿密なコミュニケーションがなければ成り立たないスポーツである。若い世代を中心に、いわゆるコミュニケーション能力が低下しているといわれる今日、次の時代のキーワードは「コミュニケーション」であり、「コミュニケーション・スポーツ」のカーリングにおいては、新しい展開が見えてきている。●今後の展開・課題 カーリング競技は、カーリング場の氷の維持管理がなければ成り立たない競技である。カーリング場がなければ、普及も選手強化も出来ない。この年間の維持管理経費をいかに確保するかが最大の課題となる。そのために、本年度NPO法人登記をし、法人としての信頼性を構築、情報公開もし、外部からの協力を得やすい組織にした。 法人登記をした結果、金融機関からの融資も得られたため借地であったカーリング施設も購入でき、自前の施設として活用できることとなった。今後は指定管理者として、行政から業務及び施設の管理委託も可能となってくる。 今後は、カーリング一貫教育システムの構築(カーリング強化指定の小学校・中学校・高校・企業)や教材マニュアルの整備が必要と考えている。 さらに世界をめざす選手育成のため、選手の職場を確保し、生活の安定を図りたい。ちなみに、世界のトップにあるカナダでは、カーリング競技をライフワークとして捉え、夏季はプロゴルファー、農業等で収入を得、冬季間はチームでスポンサーを見つけ、競技ではキャッシュ・ボンズビル(大会賞金)により生活費を賄っている。このように安心して競技にチャレンジできる環境づくりと、スポーツ以外の幅広い知識の習得など、競技者が豊かな人生を送れる環境作りに力を入れたいと願っている。(小林貞雄 総合型地域スポーツクラブ NPO法人あさまハイランドスポーツクラブ事務局長)
お知らせの一覧へ