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ACTION

不適切行為への対応 (相談する・処分する)

不適切行為(スポハラ)があった場合、各スポーツ団体では、その行為に関する相談を受付けたり、処分を行ったりしています。

スポハラにはどんなものがあるのか、またスポハラを行った場合、どんな処分が科される可能性があるのか見てみましょう!

※各スポーツ団体が対応できる相談受付や処分等については、団体の権限により異なります。

不適切行為への対応
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スポハラについて相談する

スポハラの被害にあった際、各スポーツ団体の相談窓口に相談することができます。

地域のスポーツ少年団や 総合型クラブ

における困りごとを相談したい場合

大学の部活動

における困りごとを相談したい場合

上記の場合も含めて、人権侵害、
困りごとを相談したい場合
JSPOに寄せられる相談の傾向

JSPOに寄せられる相談の傾向

「スポハラ」による被害を受けた方の相談先として、JSPOでは2013年に「スポーツにおける暴力行為等相談窓口」を設置しております。

参考
年度別相談件数推移

相談件数は、相談窓口開設以降、増加の一途を辿っており、一時、新型コロナウイルス感染症の影響により減少したものの、その後、スポーツ活動等が再開したこともあり、再び増加しています。2022年度は相談件数が過去最多となりました。

参考
年度別相談内容内訳

相談内容については、2014(平成26)年度は「暴力」 が最も多い相談内容でしたが、近年では「暴力」の相談よりも不適切行為かどうかを判断するのがより難しい「暴言」や「ハラスメント」に関する相談が多く寄せられる傾向となっています。

年度別相談内容内訳
参考
被害者・相談者の内訳

本相談窓口に寄せられる相談の被害者の6割以上が 小学生・中学生・高校生です(左図参照)。また、相談者は、保護者からの相談が6割以上を占めています(右図参照)

被害者・相談者内訳
主なスポハラについて

主な「スポハラ」について

スポーツ現場で「スポハラ」が起こる背景には、“スポーツがもつ特殊性”が要因になっています。

スポーツがもつ特殊性とは以下のようなものが挙げられます。
勝利至上主義/集団主義/許容・受容/権力関係
負の連鎖/指導者の知識不足/指導者への依存 など

これらの要因が行為と重なり、「スポハラ」として表出します。
行為のどこからどこまでがスポハラに当たるのか線引きは大変難しいのですが、ここでは代表的な「スポハラ」について見てみましょう。

「ハラスメントの考え方」の動画「ハラスメントの考え方」の動画を見る
参考
スポーツ指導現場における「スポハラ」の相談状況(日本スポーツ協会(JSPO)の場合)

「スポハラ」による被害を受けた方の相談先として、JSPOでは2013年に「スポーツにおける暴力行為等相談窓口」を設置しております。相談件数は年々増加傾向にあり、2022年度は相談件数が過去最多となりました。

参考
「スポハラ」に関する考え方について

一般3,000名に対し、「スポハラ」に関する考え方について質問しました。1割の人は競技力が向上するなら、スポハラを容認してしまう考えをもつ結果がでています。

Q:あなたの考え方は、どちらに近いですか。
A :競技力が向上するならば、指導者・コーチのスポハラはあってもよい
B :いかなる理由でも、「スポハラ」はあってはならない

スポハラに関する考え方について

スポーツ活動で起こりやすい主な「スポハラ」と実際にあった相談内容とその行為に対する処分結果を見ていきましょう。

※処分結果は、他の行為等も勘案して処分しているため、必ずしも下記行為のみでの処分でない場合があります。

スポハラの類型

( ぼう ) ( りょく )

暴力とは、肉体的、精神的に傷つけるような不当な力を他者の身体に対して及ぼすことです。
暴力が違法であることは、私たちが生きる社会の常識ですが、スポーツの世界では、暴力がむしろ正当化されてしまうことがあります。

「暴力」ってどんなこと?

コーチの指示通りにプレーができなかった選手に対し、後ろ手で手を組んだ状態にさせ、コーチの前に両膝立ちをさせた状態で、選手の顔を平手打ちした(処分結果:資格取消)

練習に集中していない部員に対し、手を使うと体罰にあたるので、竹刀のようなもので部員の頭やお尻を叩いた(処分結果:資格停止24か月)

練習中に、スキンシップの一環(喝入れ)として、コーチが選手の臀部を力を入れずに蹴ったり、叩いたりした。(処分結果:資格停止6か月)

( ぼう ) ( げん )

暴言とは、他人を傷つけるような言葉や乱暴な言葉のことです。
暴言は人格否定につながり、暴力と同様に相手を傷つける行為であり、暴力のように直接手を挙げるような行為でなければ大丈夫だと思っていたら大間違いです。

「暴言」ってどんなこと?

暴力行為とともに、日常的に「お前なんかいらない」などといった発言を行った。
その結果、選手は競技を辞めてしまった。(処分結果:資格取消)

小学生の選手に、「キャプテンなら他の選手のことにも目を配れ。そんなこともできないのなら、死んだら」と発言した。(処分結果:資格停止6か月)

ボールをキャッチミスした選手に対し、「駄目だろ」「いらねえ」「なんでそんなものも取れないんだよ」等と大声で怒鳴った。(処分結果:注意)

ハラスメント
パワー・ハラスメント(パワハラ)

パワハラの定義付けは非常に難しいですが、一言で言うと、立場の優位性を利用して、指導の範囲を超えて行う嫌がらせであり、結果として、肉体的、精神的な苦痛を与えたり、スポーツを行う環境を悪化させたりすることとされています。

「パワハラ」ってどんなこと?

暴力行為とともに、チームのルールに従わなかった罰として、丸刈りを示唆した。(処分結果:資格停止24か月)

練習試合のプレー中の声が小さいことを理由に、数時間、体育館のステージに立たせて練習に参加させなかった。(処分結果:資格停止6か月)

ハラスメント
セクシュアル・ハラスメント(セクハラ)

セクハラとは、性的な行為や言葉によって、相手に不快感を与えることです。
スポーツの現場におけるセクハラでは、指導者と競技者などという立場を忘れ、一方的で身勝手な感情に基づいて行われたり、権力や実力を持ったものが立場の違いを利用して、行われるケースが多く見受けられます。

「セクハラ」ってどんなこと?

スポーツマッサージと称して、選手の身体に不必要に触った。その結果、選手はそのチームを辞めて別のチームで活動することとなってしまった。(処分結果:資格停止24か月)

スポーツクラブのコーチが、SNSで選手の保護者に対し、性的な発言のメッセージを送信し続けた。選手(子ども)がコーチに指導してもらうためには保護者が行為を我慢しなければならなかった。(処分結果:資格停止24か月)

( ) ( べつ ) ( てき ) ( ) ( どう )

差別的指導とは、合理的な理由なく分け隔てすることであり、「年齢、性別、性的指向や性自認、障がいの有無、国籍、文化、言語、民族、人種、宗教などの特徴を理由に、相手の扱いに差をつけたり、相手をあざ笑ったり・侮辱する、さらには集団から排除する、あるいは関わりを否定する言動」等が差別的指導にあたります。
差別的指導と似た問題として、合理的な理由なく選手ひとりだけに草むしりをさせるなどの差別的取り扱いに関する問題もあります。このような取り扱いは指導における裁量を超えるものとして、パワハラなどに該当する可能性があります。
また、差別的指導と合理的配慮についても整理しておく必要があります。例えば日本語での意思疎通が困難である外国籍を有する選手へ個別に時間を割いて指導することは、そのほかの選手からすると差別的指導に見える場合もありますが、このような指導は合理的配慮として捉えることができます。