スポーツリスクマネジメントの実践 ― スポーツ事故の防止と法的責任 ―
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58 す。1枚の記録用紙に書いた場合、対応した時間が分からなくなるケースが多くなるためです。 (5)リスク事例 最初のページは当クラブのリスク事例を記録するページとなります。次のページは他クラブのリスク事例を記録するページとなります。 ヒヤリハット事例も含めたリスク事例は、情報共有のため記録しておく必要があります。 また、自分のクラブの事例だけではなく、他クラブの事例も記録しておくよう心がけましょう。出来るだけ多くの事例を知ることが意識向上に繋がります。 (6)クラブとして⾏わなければならない事項 クラブとして行わなければならない事項を取り纏めています。「責任体制の明確化」「事故対応マニュアルの作成」「緊急連絡網の作成」「保険への加入」「救急箱の設置」「AEDの設置」「リスクマネジメントをテーマとする勉強会の実施」「応急処置(救急)講習への参加」「リスク事例の収集」「他クラブとの情報交換」の10項目があります。 全てが出来ている状況を最終的に目指してください。その過程において、出来ない項目については、なぜ出来ないか、どうすれば出来るのかをクラブのスタッフ全員で考えてください。 (7)施設・用具管理のリスクマネジメント 施設、用具の管理において、事故に繋がるリスクを洗い出してください。 導線の不備や老朽化、床が常に濡れているなど、危険個所を洗い出しましょう。 そのうえで、使用しない、近づかせないなどの対応をとりましょう。 (8)その他のリスク 活動中の事故以外のリスクについて、リスク事例、クラブへの影響、これらの問題点における解決方法を検討しましょう。 第4章のクラブ運営者のためのチェックポイントも参考にしてみてください。 (9)種目ごとの注意すべきリスク スポーツ事故防止のためのポイントは施設用具の管理、健康管理と身体能力の管理、自然条件の把握の3つです。 これらの3つについて、第3章の指導者としてのチェックポイントを参考にしながら、個別競技ごとに確認しましょう。

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