スポーツリスクマネジメントの実践 ― スポーツ事故の防止と法的責任 ―
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53 具・スポーツ器具・用具の情報の4つです。 次に、どのような目的で参加しているかを理解してください。競技性を重視するのか、スポーツを楽しむのか、リハビリなのか、目的によって練習方法が異なるためです。 指導するうえで、準備運動、プレーなど、手順の基本を怠らないでください。障がい者の方は自由に動くことが難しいため、指導者は「少しだけなら」という気持ちにならないようにしましょう。 そのほか、プライバシーの問題、個人情報の取扱いにも注意が必要です。 (2)把握しなければならない⽣活情報 指導者は参加者の生活情報を把握してください。意思を伝達する力、人とのコミュニケーション力、指示を理解する力、安全に行動する力の4つです。 ①意思を伝達する⼒ 言葉で伝えることができるのか、身振りや手振りで伝えられるのか、難しいのかを把握してください。 ②人とのコミュニケーション コミュニケーションは成立するのか、特定の人であれば可能なのか、成立しないのかを把握してください。 ③指⽰を理解する⼒ 指示が理解できるのか、理解はできるが表現ができないのか、理解は出来ないのかを把握してください。 ④安全に⾏動する⼒ 集団生活では問題ないのか、危険な箇所は理解しているのか、多動傾向があるのか、行方不明になったことがあるのか、逃亡など常に注意が必要であるのか、自傷行為があるのか、他傷・他害行動があるのかを把握してください。 ⑤その他 上記以外についても、こういうときはこうなりやすい、特定のこだわりがある、パニックになるときの要因と対処法のコツがある、てんかん等の発作がある、定期的に服用しなければならない薬があるなどへの注意も必要です。 (3)主な障がいの態様 視覚障がい、聴覚障がい、知的障がいについて、ポイントを見てみます。 ①視覚障がい どのような状況になっているのか分からず、不安な時があります。このため、分かりやすい口調で伝えること、音声情報で複数回繰り返すことが必要です。 ②聴覚障がい どのような状況になっているのかを把握することができません。文字と絵を組み合わせて情報を伝えることを心掛けてください。 ③知的障がい パニック時、恐怖感で思いがけない行動・ 指導者は、意思を伝達する力、人とのコミュニケーション力、指示を理解する力、安全に行動する力を把握したうえで、指導を行うこと

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