スポーツリスクマネジメントの実践 ― スポーツ事故の防止と法的責任 ―
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47 (4)挟まれ事故 開口部分、特に扉や窓、戸袋等の隙間には手などが入らないよう、物理的な措置が必要です。また防火扉や防火シャッターについても、機能するかどうかの点検が必要です。突然しまって挟まれる事故もあります。 (5)落下物 建設から年数が経った建物については、経年劣化が予想されます。目視だけではなく、触れて固定状況等を確認することが必要です。 また地震発生時には天井、天井の設置物、外壁、棚の上の段ボール等が落下することがよくあります。強い衝撃が加わったときにも耐えられるよう、確認しておくことが求められます。 ①天井、天井への設置物 天井の電気、会議室では天井に設置されているテレビやスピーカーなどの固定状況を確認する必要があります。 つり天井になっている場合、天井そのものが落下することもあります。プールの天井は腐食等によって劣化が進んでいるケースもあります。 目視だけの点検ではなく、固定状況を定期的に確認することも必要です。 ②外壁 劣化、または地震によって外壁が崩れ落ちるケースが、特に古い施設の場合、よく見られます。 タイルの場合、剥がれ落ちやすくなっています。特に寒冷地では外壁とタイルの隙間が凍結・膨張などで剥がれやすくなっている場合もあります。 天井や天井への設置物と同様、目視だけの点検ではなく、固定状況を定期的に確認することも必要です。 ③棚の上の段ボールや書類等 地震等の衝撃が加わった場合には落下の危険性があります。特に救護室のベットの横に棚がある場合には、上にモノを置かないようにしましょう。 (6)高齢者等への配慮 高齢者の場合、僅かな段差でも転倒するケースが多く見られます。段差やスロープのある場所では、コントラストが明確化するよう、段差部分にテープを貼るようにしておきましょう。 また手すりや視覚障がい者用の誘導ブロック、出入り口付近には、障害物を置かないよう、気を付けましょう。 (7)その他 管理する敷地内に木があった場合には注意が必要です。枯れ枝の落下や倒木で通行人がケガをするケースもあります。 落ちそうな枝がないか、根が腐っていないか、幹に亀裂が入っていないか、定期的な点検が必要です。

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