スポーツリスクマネジメントの実践 ― スポーツ事故の防止と法的責任 ―
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46 (1)転落の管理 ①屋上、バルコニー、天窓、ひさし 足を踏み外す、引っ掛ける、バランスを崩す等によって転落する可能性がある部分です。従ってこれらの場所には行かせないよう、施錠を基本とした管理が必要です。 ②窓 大きく開放する窓の場合、すぐ下に椅子や机があると、そこに乗ったときに転落する危険性があります。窓を開放しない、またはすぐ下に椅子や机を置かないようにします。 古い施設の場合、窓枠から窓が外れて転落する危険性もあります。定期的な点検が必要です。 ③吹き抜け 転落しないよう近づかせない、または可能であれば吹き抜け部分にネットを設けるなどの措置が必要です。ネットが破れていないかどうかの定期的な点検が必要です。 ④防護柵 防護柵は基本的には危険個所に設置するものです。従って、破損個所がないか、定期的な点検が必要です。 ⑤マンホールや側溝の蓋 マンホールや側溝が開放したままの場合、転落する可能性があります。蓋がずれていないかどうか、または点検中の場合、安全防護措置を怠らない(作業中は無人にしない)などの注意が必要です。 (2)衝突 特に子どもの利用が多いところでは、石や金属の露出、面取りせずにコンクリートが露出している柱、大きなガラスなどには注意が必要です。 危険個所には緩衝材を付けたり、大きなガラスにはシールを貼ってガラスがあることを示すなどの対応が一般的です。 (3)転倒 雨漏りや配管からの水漏れがあった場合、滑って転倒する可能性があります。 体育館のフロアや廊下部分にも注意が必要です。特に体育館の床材の剥がれにも注意が必要です。小さな剥がれの部分でもプレー中に転倒して大きなケガに繋がる可能性があるためです。 修理を行うまでの間は、誰もが分かる形で、危険個所の明示を行う必要があります。 競技に合った服装・シューズを履くことも転倒予防に繋がります。普段着や運動用ではないシューズを履いてのスポーツは危険です。

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