スポーツリスクマネジメントの実践 ― スポーツ事故の防止と法的責任 ―
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44 4 活動環境のリスクへの対応 クラブとして地域に根差した活動を行うためには、近隣への配慮は欠かせません。 (1)夜間照明、騒⾳ 野球やサッカーなどの屋外競技を夜間で行うプログラムを導入しているクラブは、夜間照明、騒音に関する配慮が必要です。 特に住宅街の近くで活動するクラブは、早朝や夜間の活動制限を必ず守らなければなりません。併せて日常的に近隣住民とのコミュニケーションをとって良好な関係を気付くことにも努めましょう。 (2)近隣への迷惑⾏為 会員が活動場所である体育館やグラウンドに来る途中、ゴミを散らかしたり、近隣住民に悪戯をすることがあります。 民法上は行為を行った人に責任があり、原則的にはクラブに責任があるわけではありませんが、道義的な責任として、また、近隣との良好な関係を損なわないためにも、お詫びや会員への注意喚起を行うと良いでしょう。 5 経営面のリスクへの対応 クラブを持続的に活動させるために必要なものです。 (1)会員の減少 会員の転居や仕事の理由で退会する場合はやむを得ませんが、クラブや指導者への不満による退会は避けなければなりません。 「このような話は聞いていない」「このような指導は受け入れがたい」など、クラブと会員の認識がずれている場合に、会員の退会という最悪の結果に至るケースが良く見られます。これを解消するために必要なことがクラブ運営の透明性です。 入会前、規約等によってクラブの運営方針や指導者の指導方針を書面で提示、説明することが最も重要です。 入会後においても、指導者と会員とのコミュニケーションは欠かせません。指導者にはコミュニケーションの重要さを徹底するようにしましょう。 (2)会費の未納 参加した月の会費だけ支払う、会費の未主なリスクは、夜間照明、騒音、会員の近隣への迷惑行為 主なリスクは会員の減少と会費の未納

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