スポーツリスクマネジメントの実践 ― スポーツ事故の防止と法的責任 ―
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42 (2)横領などの不祥事 少人数のスタッフで運営しているクラブが多いため、会費や運営費など、資金の管理を特定の1人で行っているケースがよく見られます。 気が付いた時には大きな損害になっていることもあります。定期的に担当者を変えるほか、複数によるチェックを行うことがポイントです。また会計担当者に借金がある、お金の使い方が派手である場合も注意が必要です。 (3)指導者の退任や引抜き 多くの指導者は、日中は仕事をしており、夜間、クラブで指導するケースが殆どかと思われます。このため各クラブとも指導者の確保は大きな課題になっています。活動や指導内容に関する意見の相違、派閥形成などで、指導者が退任しないよう、または他のクラブに引抜きされないよう、クラブマネジャーは日頃から指導者との密接なコミュニケーションを心掛けるよう注意する必要があります。 3 情報リスクへの対応 クラブは多くの会員情報を保有しています。このため個人情報を流出させない取組みも重要となります。特に次の①~③が重要です。 また活動の様子を写真で撮り、ホームページやチラシに掲載するケースも多く見られます。クラブには活動を知られたくない会員もいます。 個人が特定できる写真を公開すると、会員とのトラブルに繋がる可能性があります。公開用の写真を撮影する場合には、個人が特定できないよう撮影するか、予め入会時に文書で会員に説明しておく必要があります。 主なリスクは個人情報の漏えい 注意を要する個人情報 ・ 会員情報のデータ ・ クラブ活動中の写真(個人が特定できるもの) ※ チラシやホームページへの掲載時には注意しましょう

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