スポーツリスクマネジメントの実践 ― スポーツ事故の防止と法的責任 ―
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40 には携行する必要があります。 (6)AEDの設置場所の把握 事故が発生したとき、すぐに使えるよう事務所にはAEDを用意しておきましょう。施設を借りて活動しているときでも、どこにAEDがあるのかを確認しておきましょう。 AEDの日本語表記は自動体外式除細動器となります。「除細動」は「細かい動きを取り除く」という意味であり、あくまで心臓のけいれんを抑えるためのものです。従って、心肺蘇生(胸部圧迫や人工呼吸)を併せて行うことが必要です。 (7)リスクマネジメントに関する勉強会の実施 リスクマネジメントに関する知識は、クラブの担当者のみが知っていても意味がありません。監督やコーチなども含め、クラブ関係者全員が、その知識を持っていなければ、事故の予防はもちろんのこと、事故発生時の迅速な対応もできません。 少なくとも年に1回は勉強会を開催しましょう。 (8)応急処置(救急)講習参加 特にAEDについては簡単に操作できるとはいえ、事前に訓練を行っている場合と、そうでない場合では、迅速な対応に差が出ます。AEDの訓練は、シミュレーション機(電気ショックは流れず、音声のみ出るもの)と人形を使って行います。 スタッフの講習会への参加を促すとともに、人数を集めて消防署にAEDの講習会の講師を依頼するなど、クラブとして講習会への参加機会を増やすよう、心がけましょう。 (9)事故事例の収集 事故の事例を知るほど、あの競技のあの場面は危ない、あの場所は危ないなど、危険な状況を予め予測することができるようになります。 事故事例は自分のクラブのほか、新聞報道などから積極的に収集しましょう。 大ケガにはならなかった事例(ヒヤリハット事例)の収集も行う必要があります。 (10)他クラブとの情報交換 他クラブの事故防止に関わる良い取組みは積極的に取り入れましょう。このためにも他クラブとの情報交換は積極的に行いましょう。 (写真)AED

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