スポーツリスクマネジメントの実践 ― スポーツ事故の防止と法的責任 ―
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31 2 健康管理・⾝体能⼒の管理 (1)無理をさせない チェックポイントは、①睡眠不足、②不安定な心理状態、③心疾患の有無、④心臓しんとうへの注意、の4点です。 ①睡眠不⾜や疲れが残っている状態 睡眠不足の場合、スポーツ活動を行うための十分な力を発揮することができません。 試合後の練習についても疲れが残っているため、練習に集中できずケガをする可能性が高まります。 ②不安定な⼼理状態 不安定な心理状態の場合、スポーツ活動に集中することができず、従ってミスやケガを誘発するプレーが増えることになります。この場合には、睡眠不足のときと同様、休ませる、または練習量を調整するなどの対応を行いましょう。 ③⼼疾患の有無 心疾患がある場合、運動を制限しなければなりません。従って、重大な結果を避けるためにも、活動に参加させる場合には、心疾患の有無を確認する必要があります。 ④⼼臓しんとうへの注意 胸に衝撃を受けて心臓が停止する(心臓が不規則に震える)ことがあります。この場合すぐにAEDで対応しなければなりません。 野球やドッジボールなど、ボールを胸で止める競技の指導者は特に注意が必要です。 (2)軽微な事故でも家族・保護者に必ず連絡する 練習や試合中の事故は必ず保護者や家族に伝えなければなりません。帰宅後、不調になった場合、その原因が分からず、正しい治療ができないためです。これは保護者への通知義務の観点から極めて重要なことです。 特に頭を打った場合には、保護者に必ず連絡して、気持ち悪くなる、吐くなどの症状が見られたらすぐに病院に行くよう伝えることが必要です。 (3)試合、競技を安全に⾏うためのスキルを⾒極める サッカーや柔道など、スキルに大きな差がある競技の場合には、競技者のレベルを・ 無理をさせない ・ 軽微な事故でも家族・保護者に必ず連絡する ・ 試合に参加するときには、スキルが十分かを見極める

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