スポーツリスクマネジメントの実践 ― スポーツ事故の防止と法的責任 ―
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30 ①活動人数の考慮 指導者の目が行き届く人数で指導することが必要です。会員が多すぎると、危険な行為を見逃し、ケガが発生する可能性が高まることになります。 ②施設、用具の安全な準備、配置(安全を確保した用具の準備、安全な導線の確保) 用具の準備は会員任せにせず、指導者による適切な管理・監督が必要です。 用具の配置について、例えばバスケットゴールの先にモノを置かないなど、活動の導線を考えた用具の配置が必要です。 【事例】 2000年7月、当時A県立高校1年生のB君は、体育館での練習試合で、勢いあまってゴールポスト後ろの窓ガラスに右腕から突っ込んだ。筋肉や神経、骨を負傷、リハビリしたが2003年「肢体不自由右手指機能障がい」で身体障がい者3級と認定。 体育館の構造と管理責任により、A県が慰謝料など約3,800万円を支払うことで和解(2006年2月) ③良好な環境の確保(照明、換気など) 屋外において、特に野球やソフトボールなどを行う場合、暗くなればボールを見ることができず、従って正確なキャッチボールもできません。夜間照明がないのであれば、早めに練習を切り上げるなどの対応が必要です。 屋内において、特に夏の体育館での活動は熱中症などが発生しやすい環境となります。従って適切な空調管理や換気管理を行うことが必要です。 バドミントンや卓球など、空調や換気が難しい場合には、会員の体調管理を重視した取組みが求められます。 (写真)適切な人数での指導 (写真)夜間の練習は照明を確保

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