スポーツリスクマネジメントの実践 ― スポーツ事故の防止と法的責任 ―
23/112

19 死傷させた者は、五年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。重大な過失により人を死傷させた者も、同様とする。 1 注意義務と安全配慮義務 (1)指導者に課せられる注意義務 注意義務とは「予見義務」「回避義務」「保護監督義務」「保護者への通知義務」の4つであり、指導者に求められる義務です。 この4つの何れかの義務が果たされていなかった場合、指導者に責任が問われます。 ①予⾒義務 事故の発生を予測しなければならない義務です。事故が起きた場合、振り返ってみると、小さな事故がよく起きていた、危ないと思っていた、いつか事故が起きると思っていた、と思うケースが良くあると思います。このようなケースの場合、予見の可能性があったとみなすことができます。 当事者である指導者が、「私はそうなるとは思っていなかった」と考えている場合でも、事故事例があった場合には予見義務は果たされていなかった、と見なされます。 予見の可能性がなかった場合とは、過去このような事例は1件も発生したことがなかった、どのような指導者でも事故の発生は予想できなかった場合に留まります。 ②回避義務 予見義務とセットとなる義務です。予見(図)安全配慮義務と注意義務

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です