スポーツリスクマネジメントの実践 ― スポーツ事故の防止と法的責任 ―
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11 (2)事故発⽣後の対応 事故発生後の対応の最大の目的は更に悪い状況にさせないことです。 まずは緊急時の対応です。事故が起きたら直ちに応急手当、関係者へ連絡などを行います。 次に復旧時の対応です。状況が落ち着いたら原因は何かを見極め、同じ事故が起きないように、実施方法を変えるなどの改善を行います。 3 リスクマネジメントの実践 (1)リスクマネジメントのPDCA リスクマネジメントは効果的かつ効率的なものでなくてはいけません。そのために必要なものがPLAN(計画)、DO(実施)、CHECK(評価)、ACT(改善)の4つです。これがPDCAサイクルです。 PLAN(計画)は、マニュアルの作成、研修の実施計画など、リスクマネジメントの取組み計画を作ることです。クラブ運営の責任者が中心となって計画作りを主導することが求められます。 DO(実施)はリスクマネジメントの実践です。作成したリスクマネジメントのPLAN(計画)を指導者に周知・徹底するなど、計画どおりに実践しなければなりません。 CHECK(評価)はリスクマネジメントの取組みが適切だったのかの検証です。計画どおりに実践できたのか、出来なかった場合には何が悪かったのかを検証します。 ACT(改善)はCHECK(評価)の検証結果を改善するための取組みです。不十分だったところを改善して、翌年度にはさらに効果が上がるような取組みを行わなければなりません。 このPDCAの具体化な取組みが次の4つです。1つめはクラブを取り巻くリスクは何かを把握する、2つめは重大なリスクを抽出する、3つめは重大なリスクに対して対処する、4つめはリスクに対する対処が上手くいっているかを検証する、です。 重大な事故=1軽微な事故=29ヒヤリハット=300(図)ハインリッヒの法則

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