スポーツリスクマネジメントの実践 ― スポーツ事故の防止と法的責任 ―
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102 3.施設・用具管理のリスクマネジメント 考えられるリスク (例)導線の不備、老朽化、床が常に濡れている等 クラブへの影響 (考えられるケガ) 予防と対策 対策上の問題点 講師からポイント 体育館の雨漏り 体育館の床が結露しやすい。 転倒し、頭部を強打。 施設の管理者に修理を依頼する。使用注意の知らせをする。定期的に点検状況を明記し、注意を表示する。 <施設利用者の事故> 指定管理者の場合、施設の瑕疵かし(修理の必要性を感じながら修理をしないなど)による事故の責任は指定管理者にかかる。 現場指導者には、施設の瑕疵の場所を把握し、参加者に注意喚起をする義務がある。 <施設、道具を損壊> 原則、故意に壊した場合、当人が賠償。但し道義的な責任として、日頃使用している施設であれば、その後の関係維持の面で、クラブとしての誠意を見せることが望ましい(その後、故意に壊した当人にクラブが求償=支払った費用を求める、することができる)。 試合や練習中の場合、クラブや指導者が責任を持つこととなる。 体育館の用具入れの床に穴が開いている。 つまずいて転倒、ケガ。 施設の管理者に修理を依頼する。しかし、お金がかかる。 体育館の用具で子供が遊んで壊してしまう。 クラブ会員でなければ管理下にないため責任はない。 注意喚起すべき。親に注意を促す。 バレーボールの支柱カバーの老朽化。打撲、指のケガ。 支柱カバーの交換。定期的に点検する。ライトが少ないので暗くてソフトボールがしにくい。体育館の電球が切れている。捕球まちがいでのケガがある。薄暗いので活動しにくい。 ライトの向きを変える。照明を増設する。電球の交換(市の施設なので3個切れるまで交換してもらえない)。 見えにくくなったら、プレーは止める。この場合何かケガ等あった場合は、現場責任者に責任が問われる。

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