スポーツリスクマネジメントの実践 ― スポーツ事故の防止と法的責任 ―
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100 (12)グラウンドゴルフ リスク発生の経緯 グラウンド内の排水溝を清掃中、翌日グラウンドゴルフ大会のため、排水溝のふたをかぶせていたが、ふたとグラウンド面に小さい段差があった。前後の雨で滑りやすくなっていたため、この段差で1人が転倒し、頭を打ち頚椎損傷のケガを負った。(70歳女性)その後、女性は入院、現在も通院中。 クラブの対応状況 クラブとしては、指定管理を受けているグラウンドであるため、女性のケガに対する保険については施設賠償責任保険で対応した。 事故後、クラブでは小さなケガなどでも逐一報告するように徹底している。 また、排水溝の清掃については、ふたの開閉作業自体をなくし、事故の再発を防いでいる。 講師からのポイント 基本的には排水溝を清掃した人、ふたを開閉した人、施設の管理者(危険な状態に放置)の責任となるが、現場の指導者に対しても危険箇所に近づかないように注意喚起することが必要である。 (13)ソフトバレー リスク発生の経緯 ソフトバレーボール大会の際、メンバーが足らず、急遽助っ人の選手で来た人が足首を骨折した。 クラブの対応状況 クラブとしては、その場にいた整形外科関係者の方が骨折と診断し、病院にいってもらうことを指示。その人はスポーツ安全保険への加入がなかった。 講師からのポイント プレー中のけがであり、基本的には自己責任。このため費用も自己負担が原則となる。 (14)ニュースポーツ リスク発生の経緯 ニュースポーツ教室開催中(夜間)、体育館から外に出て遊びまわっていた子供が、側溝に足を取られ転倒し、頭をケガした(出血あり)。 クラブの対応状況 自宅に電話をしたがつながらず、祖母に連絡後、病院に連れて行った。2~3針縫って帰宅。治療費は本人(家族)負担。 クラブで加入している保険から保険金(通院2,000円×日数)が支払われた(傷害保険で対応)。 講師からのポイント 子どもがクラブの参加者であればクラブ責任者の責任、注意義務を怠ったことによる。子どもがクラブの参加者以外(教室参加者の付き添いの子ども)であれば、原則、クラブ責任者の責任はない。 (15)その他 リスク発生の経緯 活動時間が夜の時間が多いため、事務局は対応できない。 クラブの対応状況 講師からのポイント 緊急時に連絡がとれるよう、連絡網の整備を行うことが望ましい。

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